2026.06.11
清水建設(株)<社長 新村達也>は、「日田山国1号トンネル本坑1工区(大分県中津市)」において、山岳トンネル現場のオートメーション化を志向する次世代型トンネル構築システム「シミズ・スマート・トンネル」の要素技術である遠隔施工技術やAI・IoT技術を集中適用し、作業の安全性向上と大幅な省人化を実現しています。
シミズ・スマート・トンネルは、山岳トンネル現場のオートメーション化技術を集約した革新的なトンネル構築システムです。当社は各工程の自動施工に対応したロボットの開発をはじめ、施工管理やデータ連携のオートメーション化を含む要素技術の開発を推進、国内のトンネル現場への適用を順次進めています。熟練技能者の減少を背景に生産性向上が建設業界の大きな課題となる中、シミズ・スマート・トンネルは、国土交通省が推進するi-Construction 2.0に即した抜本的な省人化対策です。
「日田山国1号トンネル本坑1工区」では、大分県中津市と日田市を結ぶ総延長8.8kmの自動車専用道路「日田山国道路」の一部として、掘削延長1,325m、内空断面積は約92m2の大断面道路トンネルを施工しています。当社は生産性向上に向け、機械掘削工法の全工程である、①掘削、②ずり(掘削土砂)出し、③支保工建込み・吹付け、④ロックボルト打設に遠隔施工技術やAI・IoT技術を適用しています。その結果、トンネル特殊工3名で現場を差配し、40%の省人化を実現するとともに、切羽近傍への人の立ち入りがなくなり安全性も格段に向上しています。現在の工事進捗率は約52%です。
通常、山岳トンネル工事では、トンネル特殊工5名の稼働を前提に工程が組まれています。例えば、支保工建込み・吹付け機をはじめ、ロックボルト打設専用機械、掘削機械、ずり出し作業を行うバックホウ、ずりを積み込むサイドダンプ、運搬ダンプなどの操作、切羽の目視確認などを特殊工5名で分担しています。当現場では、遠隔操作により支保工建込みやロックボルト打設を無人化、ずり出しはダンプ運搬に代替して連続式ベルトコンベアを採用、切羽確認には移動式LiDARを活用、さらにはAIサイクル自動判定システムにより資機材や工程等の施工管理の一部を自動化することで、特殊工3名でも5名相当の労働力を担える施工体制を確立しています。また、安全管理においては、作業の遠隔化により危険な切羽近傍への人の出入りをなくすとともに、AIを活用した重機接触災害リスク低減システム(safety2.0認証技術)の採用で、人と重機の接触防止を図るなど、対策を徹底しています。
当社は今後、当現場で展開している省人化施工を当社の施工標準とし、山岳トンネル工事へ広く展開を図ることで、生産性の向上、ひいては作業員の処遇改善、現場の環境改善に結びつけていく考えです。
≪参 考≫
「日田山国道路1号トンネル本坑(1工区)工事」
| 工事場所 | 大分県中津市山国町守実 |
|---|---|
| 発 注 者 | 大分県 |
| 施 工 者 | 清水・河津・小田開発工業特定建設工事共同企業体 |
| 工 期 | 2024年3月~2027年10月 |
| 工事概要 | 工事延長1,332m、トンネル掘削工1,325m |
「i-Construction 2.0」
施工、施工管理、データ連携の3つのオートメーション化により、2040年度までに建設現場で少なくとも3割の省人化(2023年度比)と、生産性の1.5倍向上の実現を目標に掲げたビジョン。
シミズ・スマート・トンネルの概念図
日田山国1号トンネル本坑1工区の状況(シミズ・スマート・トンネルの要素技術)
以上
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