2026.04.22
清水建設(株)<社長 新村達也>はこのほど、陸上風力発電施設の設計期間の短縮、事業採算の向上を目的に、山岳部の陸上風車を結ぶアクセス道路のルート設定を自動化・最適化する「陸上風力アクセス道路設計システム」を開発しました。今後、本システムを活用して陸上風力発電施設の優位受注を図るとともに、造成工事におけるパイロット道路のルート設定など切・盛土が伴う大規模工事への適用も進め、経済設計を追求します。
2050年のカーボンニュートラルの実現には、再生可能エネルギーの開発が不可欠です。継続的な増加が見込まれる陸上風力発電施設については、国土が狭いわが国では事業候補地が山岳部になりがちです。山岳部での開発にあたっては、発電量を最大化する風車配置、開発コストを最小化する風車へのアクセス道路のルート設定を繰り返し検討し、最適化を図ります。とりわけ、事業採算を大きく左右するアクセス道路のルートや道路線形については、幹線道路からの距離や等高線などを考慮しながら数多くの想定ルートを比較検討するため、多大な時間と手間を要しています。
そこで当社は、アクセス道路のルート設定を自動化・最適化する設計システムを開発しました。この設計システムに計画地の地形データを入力し、風車の配置情報と造成禁止エリア等をプロットすると、システムのアルゴリズムが最短となるアクセス道路の概略ルートを抽出しつつ、切・盛土量を最少化する高低差の少ないルートを勘案して概略ルートを補正していきます。さらには、単に一筆書き的なアクセス道路で風車を結ぶのではなく、例えば同じ山の上に位置する風車についてはグルーピングして結んだうえで山と山を結ぶアクセス道路を設けるなど、人間的な思考を働かせてルートを設定し、経済性を追求する機能も備えています。
本システムを用いて過去に当社が設計・施工した陸上風力発電所のアクセス道路のルートを検討したところ、実際に設計者が立案したルート設定に近似した結果が得られました。30基の風車を延長約12kmのアクセス道路で結ぶ計画立案に要した時間は約4時間となり、実際に要した時間の1/10程度で済みました。開発計画の初期段階では、さまざまなケースを想定した数多くのルート検討を繰り返し実施することから、本システムを用いることで検討ケースの大幅な増加が見込まれます。これにより、一層の経済設計が可能になります。
当社は今後、陸上風力発電の新規プロジェクトで陸上風力アクセス道路設計システムを運用しながら実用性を高め、事業者のニーズにきめ細かく対応していく考えです。
≪参 考≫
事業検討サイクルの実施フロー
陸上風力アクセス道路設計システムの使用プロセス
DXF:米Autodesk社が開発したCADデータ形式で、主に異なるCADソフト間で図面を共有・変換するための標準フォーマット
以上
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