建設現場由来の廃プラスチックから雨水貯留槽の構造体を製造

~自社現場で循環利用し、プラスチックのマテリアルリサイクルを促進~

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2025.12.04

清水建設(株)<社長 新村達也>は、建設現場における資源循環の取り組みの一環として、現場由来の廃プラスチックを雨水貯留槽の構造体の原材料として再利用し、自社現場に循環させるマテリアルリサイクルスキームを構築しました。このほど開始した初弾の取り組みでは、プラスチック製雨水貯留槽「ハイドロスタッフ®」を製造・販売する城東リプロン(株)<本社:東京都中央区、社長:横江政洋>と協業し、「日本橋一丁目中地区第一種市街地再開発事業」の当社建設現場で回収した廃プラスチックから貯留槽のユニット部材を製作、自社開発のマルチテナント型物流施設「S・LOGI(エスロジ)松原」の建設現場に供給します。

建設現場由来の廃プラスチックはこれまで、焼却して熱エネルギーを回収するサーマルリサイクルに供されることが多く、再資源化材としてマテリアルリサイクルされる割合は約15%に留まります。こうした状況下、日本橋一丁目中地区第一種市街地再開発事業の建設現場では、廃棄物として回収したプラスチックを樹脂種類ごとに現場内で高度分別し、リサイクラー(再資源化事業者)に有価売却する取り組みを進めています。

今回の取り組みでは、リサイクラーが材料化した現場由来の廃プラスチックを城東リプロン(株)が引き取り、貯留槽ユニットの原材料として再利用します。「S・LOGI松原」の建設現場では、このリサイクル製品を利用し、容量3,000m3の雨水貯留槽を構築します。本スキームの構築に当たっては、リサイクル製品の選定等において伊藤忠プラスチックス(株)<本社:東京都千代田区、社長:林 英範>の協力を得ました。また、貯留槽の設置作業を担当する日本道路(株)<本社:東京都港区、社長:石井敏行>がリサイクル製品の施工性の事前検証に参画しています。

大規模現場から発生する産業廃棄物の3~4割を占める廃プラスチックのマテリアルリサイクルが普及すれば、資源循環社会の実現に大きな貢献を果たせます。当社は引き続き、現場由来の廃プラスチックの再資源化を促進し、資源循環社会の実現に寄与していく考えです。

以上

≪参 考≫

廃プラスチック・マテリアルリサイクルスキーム

廃プラスチック・マテリアルリサイクルスキームの図

「S・LOGI(エスロジ)松原」の工事概要

工事名称 (仮称)松原三宅物流施設計画
建 設 地 大阪府松原市三宅西7丁目
規  模 延床面積116,509.72m2、地上4階
構  造 鉄骨造
用  途 物流倉庫、事務所、駐車場
工  期 2024年11月~2026年5月
発 注 者 清水建設(株)
設計施工 清水建設(株)

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