Torch Towerで地上階の鉄骨建方作業がスタート

~低層部のファサードを特徴づける巨大な斜め鉄骨柱がお目見え~

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2025.09.02

株式会社三菱地所設計
清水建設株式会社

(株)三菱地所設計<社長 谷澤淳一>が設計監理、清水建設(株)<社長 新村達也>が施工を担う東京駅日本橋口前「TOKYO TORCH(トウキョウトーチ)」街区の「Torch Tower(トーチタワー)」(施行者:三菱地所(株)、規模:地上62階・高さ約385m)の工事現場において、このほど低層部のファサードを特徴づける巨大な斜め鉄骨柱の建方作業がスタートしました。

Torch Towerは、基準階約2,000坪の大規模オフィス、大規模商業機能をはじめ、展望施設、住宅、ウルトララグジュアリーホテル、収容人数2,000席級のホール機能を備えた日本一の超々高層ビルで、街区中央には約7,000m2の大規模広場が広がります。2023年9月の着工後、これまで既存施設の解体やTorch Towerの地下工事を進めてきました。

斜め鉄骨柱は、約385mの超々高層ビルを支える構造体「ダイヤグリッド架構」を構成するもので、斜め鉄骨柱と鉄骨梁で構成する三角形のフレームが地震時における建物の揺れを抑制します。

(株)三菱地所設計は、地震国日本で400mクラスの超々高層ビルを合理的に成立させるべく、10年以上の歳月をかけてTorch Towerの構造計画~設計に取り組んできました。その成果として新たに開発した構造計画(「外殻制振構造」、Damped braced tube)の主要な構成要素が、このたびの「ダイヤグリッド架構」です。ここに、清水建設(株)の施工具現化に向けた技術開発が加わり、2社のアイデアと技術力を結集した結果、いよいよその姿が実現のものになろうとしています。

一般的な超高層ビルは、ジャングルジムのように鉛直・水平の柱・梁を組み上げて構造体を構成しますが(ラーメン構造)、Torch Towerに導入した「外殻制振構造」は、建物外周に斜め部材を効果的に配置することで、建物全体を1本のチューブ状の構造体とし、強靭化を図ります。1階から9階床高さまでの低層部は「ダイヤグリッド架構」、その上部(基準部)は、同じく斜めの部材で構成される「ブレース架構+オイルダンパー」とし、斜めの構造体がタワー全体の表情をつくり出します。

一周約400mの建物の全外周にわたり、高さ約52mまで連続して構成されるダイヤグリッド架構は、鉄骨総重量約1.1万t。建築の構造体としては国内最大級の規模となり、タワー重量(約80万t)の約4割強(約32万t)を支えます。ここで用いている斜め鉄骨柱は、現代の建築鉄骨工事(製作・建方)で合理的に可能な最大級の大断面(断面1.4m×1.6m、最大板厚90mm、部材最大重量28.4t)を備えています。計画では、建物の北東コーナー部を先行して斜め鉄骨柱の建方を進め、2025年10月頃に第1節の建方を、最終的には26年2月頃に第4節(9階床高さ)の建方を終了する予定です。

清水建設(株)は、精緻な施工により確実な品質確保に努めるとともに、超々高層ビルの施工上の最大の課題である「施工中の通信と人流・物流改革」に取り組み、施工の一層の効率化を図る考えです。

以上

≪参 考≫

TOKYO TORCHの事業概要

街区名称 TOKYO TORCH
事業名称 大手町二丁目常盤橋地区第一種市街地再開発事業
(施行者:三菱地所(株))
計 画 地 千代田区大手町2丁目、中央区八重洲1丁目

Torch Tower諸元

主要用途 事務所、賃貸住宅、ホテル、ホール、店舗、 駐車場等
規  模 延床約553,000m2、地上62階・地下4階、高さ約385m
工  期 2023年9月~2028年(予定)
設計監理 (株)三菱地所設計
施  工 清水建設(株)

建方に着手した斜め鉄骨柱

建方に着手した斜め鉄骨柱
建方に着手した斜め鉄骨柱2

外殻制振構造架構図(左)とダイヤグリッド架構図

外殻制振構造架構図(左)とダイヤグリッド架構図

以上

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