首里城正殿の外観復元が完了!

~素屋根の中で全貌が顕わに~

  • 建築

2025.08.08

内閣府沖縄総合事務局の発注により、清水建設・國場組・大米建設JV(以下、当社JV)が復元整備工事を進めてきた首里城正殿の外観が、焼失から5年9カ月、約2,070日を経て色・形を完全に取り戻し、素屋根の中で全貌を現しました。これは、素屋根の中に設置されていた2層の作業床が完全に取り払われたことによるものです。また、素屋根については、7月下旬から屋根材の解体に着手し、8月6日に正殿の屋根全体が大空の下であらわになりました。8月中旬からは外壁材を西面、北面、東面、南面の順に解体していくので、往時の輝きを取り戻した正殿の全貌がメッシュシート越しに徐々に見えるようになります。

今後の計画では、10月末に素屋根外周の足場の解体を完了し、その後、西之廊下と南之廊下の復元に着手します。いずれの廊下も柱・梁の主要部材は檜造りであり、塗装には久志間切弁柄を用いて往時の着色を復元します。仮設軽量部材で構成する素屋根の下、正殿と同じ工程で復元を進め、木工事は(株)社寺建(福井県)、瓦葺きは(有)島袋瓦工場(沖縄県)、漆塗り塗装は(株)漆芸工房(沖縄県)が担当し、来年秋頃、復元工事を完了する予定です。

当社JVは2022年11月の着工以来、発注者が掲げた復元整備工事のテーマ“見せる復興”に全面的に協力してきました。見せる復興は、施工者の立場からすると“見られる復興”です。着工当初は、木材加工場に設けられた巨大なガラス窓や素屋根の北西角の見学スペースから注がれる来場者の視線に対して、職方から「目が合ってしまい、仕事がやりづらい」という声も聞かれました。ただ、時間の経過とともに見られる復興に慣れてくると、それが励みになり、かつガラス越しのコミュニケーション、例えば会釈を返したり、手を振る子供に応じたりする職方の姿も見られるようになりました。

首里城公園を管理する内閣府国営沖縄記念公園事務所によると、奉神門に繋がる復元整備工事の見学ルートが2020年6月12日に設営されてからこれまでに、約520万人もの見学者が訪れています。また、令和7年6月には天皇・皇后両陛下と愛子内親王殿下が工事中の正殿をご観覧されました。当社JVは引き続き、“見せる復興”に協力していくとともに、無事故・無災害での竣工を目指します。

≪参 考≫

素屋根の中で全貌を現した首里城正殿

首里城正殿 首里城正殿 首里城正殿

以上

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