2024.05.27
内閣府沖縄総合事務局から首里城正殿復元整備工事を請け負う清水建設・國場組・大米建設JV(以下、当社JV)は本日午前、上棟し屋根・軒廻りの造作(木工事)まで終えた首里城正殿において、古式に倣い工匠式を挙行、宮大工を初めとする工事関係者約80名が正殿の悠久の安泰を祈念しました。式では、工匠役の宮大工が伝統的な装束をまとい粋な所作を披露、素屋根外部の常設見学スペースに居合わせた見学者の関心を引きつけていました。
工匠式は、平安時代から続くとされる宮大工による伝統の儀式で、多くの場合、建築の屋根・軒廻りの造作を終え木工事が一区切りついた時期に挙行します。式にはさまざまな所作がありますが、見所は式典出席者が棟木を綱で屋根上に引き上げる「曳綱の儀」、棟木を屋根の一番高い位置に組み納める「槌打の儀」となります。
本日の工匠式は10時に開始され、順に、式場に入場した工匠全員が祭壇に向かい式の開始を告げる「総礼」、造営した正殿の位置や向きに誤りがないことを確認する「丈量・博士杭打ちの儀」を経て、参列者全員が1本の紅白の綱を手に取り「曳綱の儀」の所作を実施。続いて「槌打ちの儀」を仕切る振り幣役の宮大工棟梁((株)社寺建・近藤克昭氏)が幣を片手に建物の悠久の安泰を祈念し、「千歳棟」「万歳棟」「永永棟」と声高らかに発声。屋根頂部に上がった2人の工匠がそのかけ声に合わせて、都度、槌で棟木を2回叩き、棟木を組み治める所作を施しました。その後、東西南北四方の神々に餅と銭をお供えする「撒銭・撒餅の儀」、工匠全員が式の終了を祭壇で報告する「総礼」を経て、10時50分頃に式が終了しました。
首里城正殿復元工事では、2022年11月の着工から工程を順調に消化し、工事の最盛期を迎えつつあります。今後は、正殿各所で造作工事が進むとともに、いよいよ正殿の外観を特徴づける瓦葺きと塗装工事が始まります。具体的には、瓦葺きについては土居葺きと呼ばれる下地葺きが6月、瓦葺きが7月に始まり、塗装工事については7月から下地処理が本格化し、今年の後半にはあの弁柄色の塗装が始まる予定です。
当社JVは引き続き、内閣府沖縄総合事務局と連携の下、見せる復興並びに工事関連情報の発信に努めるとともに、無事故・無災害で2026年秋の工事完成を目指します。
工匠式の概要
開催時間 | 5月27日(月) 10時~10時50分 |
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場所 | 首里城正殿復元整備工事の素屋根内 |
次第 | 工匠入場 総礼(工匠召立) 検知役着座の儀 丈量・博士杭打ちの儀 曳き綱の儀 槌打ちの儀 撒銭・撒餅の儀 検知役複座の儀 総礼 |
登壇者 | 検知役、工匠長、丈量役(2人)、振幣役、槌打役(2人)ほかの計17人で所作を実施。当社JVから4名、宮大工の(株)社寺建から13名が登壇。 |
工匠式の様子
以上
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