淡海医療センターの医療サービスをDX

~DX-Coreスマートホスピタル構想の具現化に着手~

  • エンジニアリング

医療法人誠光会淡海医療センターロゴマーク 清水建設株式会社ロゴマーク

2023.11.17

JCI認証の取得を目指す社会医療法人誠光会<理事長 北野博也>淡海医療センター(所在地:滋賀県草津市)と清水建設(株)<社長 井上和幸>はこのほど、清水建設(株)が提案する「DX-Coreスマートホスピタル構想」の具現化に向け、淡海医療センターにおいて同構想が描く医療系システムとファシリティ系システムのデータ連携に着手しました。この構想の核となるDX-Coreは、清水建設(株)が開発した建物OSであり、各種設備機器の制御システム等をローコード(プログラムレス)でデータ連携させ新しいサービスを生み出す建物の次世代デジタルプラットフォームとして機能します。

周知の通り、昨今、経営赤字に陥る医療機関が増加しています。その理由は、人件費が高騰するなか多くの医療サービスが人手に依存していること、そしてさまざまな医療系システムが導入されていながらデータ連携が図られていないこととされています。DX-Coreスマートホスピタル構想は、こうした課題を解決し医療の質の向上と収益改善を図る医療機関の近未来像を描いたものです。

この構想は、受診予約システムや電子カルテを始めとした医療系システムデータと、多種多様なロボットの統合制御システム、人を識別できる映像解析AIシステム、昇降設備(ELV)制御システム、空調・照明制御システム、各種センサー類を主体するファシリティ系システムデータとの連携を進め、医療サービスの質と生産性の向上に資するDXを図るものです。例えば、外来患者に対しては受付、診療、検査などの待ち時間の短縮、医療・運営スタッフに対してはロボットによる業務代行、無駄のない業務指示による負担軽減、光熱費の削減などが可能になります。

現在、淡海医療センターでは、「DX-Coreスマートホスピタル構想」に基づき、病院幹部、医師、看護師、事務職員をはじめとする医療サービス提供者と清水建設のエンジニアが検討を重ねながら、DXを進めています。今年度は、スタッフの生産性向上を図るDXとして、テムザック社製ロボットによる処方薬の院内搬送、トイレの臭いセンサーを利用したオンタイムでのスタッフへの清掃指示、AIが認識した待合室の混雑度に基づく空調・ELVの稼働台数制御による省エネや患者の待ち時間短縮、医療安全面では麻酔処置を受けたベッド上の患者の動きをAIで監視する機能を実装します。

こうした機能を一つ一つ実装していくことで、医療施設利用者の満足度の向上がブランド力を高めて来院患者を増加させ、生産性の向上が人件費を抑制するので、着実に収益が改善していきます。

今後、社会医療法人誠光会は、DX-Coreスマートホスピタル構想が描く諸機能をグループ内の医療施設に順次実装していくことで収益改善に取り組むとともに、清水建設は同構想を医療機関に提案し新築・改修工事の受注に結びつけていく考えです。両者は最終的には、この構想をベースに、地域レベルでの医療サービスの充実、医療満足度の向上に寄与していく考えです。

以上

≪参 考≫

DX-Coreスマートホスピタル構想

DX-Coreスマートホスピタル構想

淡海医療センターで稼働を始めた処方薬の院内搬送ロボット

淡海医療センターで稼働を始めた処方薬の院内搬送ロボット

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