河北総合病院移転建設工事がZEB Orientedを取得

~急性期病院では都内初、全国でも3例目~

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2023.04.12

清水建設(株)<社長 井上和幸>が杉並区で設計施工を進めている河北総合病院移転建設工事について、このほど、(一財)日本建築センターから建築物省エネルギー性能表示制度にもとづき「ZEB Oriented」の認証が付与されました。急性期病院の同認証の取得は都内初であり、全国でも3例目となります。

ZEB OrientedはZEBに加わった4番目のカテゴリーで、対象は従来のZEBのカテゴリーの達成が難しいとされていた延床面積1万平方メートル以上の大規模建築です。一次エネルギー消費量の削減基準は建物用途によって異なり、病院建築の場合は30%以上となっています。

当社は2022年9月に河北総合病院移転建設工事を設計施工で受注。規模は9階建て、延床面積32,844m2で、竣工は2025年5月の予定です。大規模建築であることに加え急性疾患または重症患者の治療を24時間体制で行うエネルギー消費量が多い急性期病院において、カーボンニュートラル社会の実現に寄与すべくZEB Orientedの認証取得を提案。河北総合病院の協力を得て、「パッシブ建築計画による建築自体のエネルギー負荷低減、アクティブな高効率設備機器の導入徹底による負荷低減」をコンセプトに、ZEB化に取り組みました。

本計画の特徴は敷地条件を最大限活かしていることです。まず、敷地形状を利用して熱負荷の少ない南と北に向けて病室を配置。敷地内の落葉樹の保存林を利用した日射制御も取り入れました。枝葉が繁る夏には日射の遮蔽、落葉する冬には日射を採り込む役割を担わせています。設備計画として昼夜で異なる患者の代謝量や医療機器の運転状況に応じた換気量制御、LEDの標準採用、コジェネレーションシステムや業務用エコキュートの導入などにより省エネルギーを徹底しました。

こうした工夫や高効率の設備機器の選定の結果、一次エネルギー消費量を34%削減し、ZEB Orientedの認証基準を達成しました。34%への貢献度はパッシブ建築計画・空調換気12%、照明14%、給湯3%、コジェネレーションシステム5%となっています。認証取得により、環境省の令和4年度ネット・ゼロ・エネルギー・ビル実証事業に採択され、補助金を得る見込みです。省エネルギー効果により、毎年、CO2を1,260t、ランニングコストを約3,700万円、削減できる見込みであり、発注者に環境面とコスト面で大きなメリットをもたらします。

当社は引き続き、設計施工の大規模建築についてZEB Orientedの認証取得に取り組み、日本政府のCO2削減目標やSDGsの達成に貢献していく考えです。

以上

≪参 考≫

河北総合病院移転建設工事の完成予想パース

河北総合病院移転建設工事の完成予想パース

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