2022.10.07
第一生命保険株式会社
株式会社東邦銀行
清水建設株式会社
この度、第一生命保険株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:稲垣精二、以下「第一生命」)、株式会社東邦銀行(本店:福島県福島市、取締役頭取:佐藤稔、以下「東邦銀行」)、清水建設株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:井上和幸、以下「清水建設」)の3社は、栃木県宇都宮市において開発を進めておりました「TDテラス宇都宮」(以下「本物件」)が竣工したことをお知らせします。
本物件は、地上4階建てのオフィスビルで、1階に東邦銀行 宇都宮支店、2~4階に第一生命 栃木支社が入居予定であり、県の木であるトチノキ並木が美しい大通りに木の架構を構え、景観との調和を図りました。
第一生命及び東邦銀行は、本物件を通じて今後も地域の発展に向けて貢献して参ります。
<本物件の主な特徴>
- ✔ 生命保険・銀行業界では国内初となる中層木造オフィス
- ✔ 地産材活用による地産地消型サプライチェーンの実現
- ✔ 木の特性を活かした施設利用者のウェルビーイングを促進する新しいオフィス
- ✔ カーボンニュートラル・RE100の推進(木材活用による炭素固定化、国内初となる建物新築時からのオフサイトコーポレートPPAサービスによる電力調達等)

1.本物件の特徴
生命保険業界・銀行業界では国内初となる中層木造オフィス
第一生命及び東邦銀行は、生命保険・銀行業界において初の取組みとなる中層木造オフィスの開発を行いました(自己調査に基づく)。本物件では、木質ハイブリッド技術として清水建設が開発した「シミズ ハイウッド®」(※1)を活用し、構造体や内外装の仕上材として木材を採用しています。
また、今後木質化が期待される都市型オフィス・商業施設に普及可能な計画として、林野庁補助事業「CLT活用建築物等実証事業」の採択を受けており、建築業界の技術革新及び木材産業の活性化にも寄与する取組みとなっております。
(※1)本物件では清水建設が開発し、国土交通大臣の認定を取得した耐火集成材「スリム耐火ウッド」(耐火1時間)及び、直交集成材であるCLTパネルを型枠兼天井仕上として利用した「ハイウッドスラブ」を採用しています。
地産材活用による地産地消型のサプライチェーンの実現
本物件の所在地は、第一生命旧栃木支社ビル及び東邦銀行旧宇都宮支店ビル等として、長年地域に根差し活用してきた土地であり、本物件を通じて、地域経済に貢献していくことを目指しました。
本物件では、内外装の仕上材及び型枠兼天井のCLT床版には「栃木県八溝山系のスギ」を、構造部材である柱・梁には東邦銀行本店所在地である「福島県南会津のカラマツ」を採用しております。
また、「シミズ ハイウッド®」の工程の大半を福島県内で製材・加工を行い、その一部を東日本大震災復興に向けた「福島イノベーション・コースト構想」(※2)により整備された浪江町の福島高度集成材製造センターが担いました。地域資源を活用し竣工した本物件は、第一生命・東邦銀行の地域拠点として今後も継続して地域経済に貢献する地産地消型サプライチェーンを実現していきます。

(※2)東日本大震災及び原子力災害によって失われた福島県沿岸地域等の産業復興を目的とし、新たな産業基盤構築を目指す国家プロジェクト。
木の特性を活かした施設利用者のウェルビーイングを促進する新しいオフィス
大通り側に面した銀行店舗部分及び執務室部分は木そのものに包まれた空間となっており、施設利用者に対して、リラックス効果や生産性向上効果(※3)のある快適な居住空間を提供します。
四方向の開口により 光と風を採りこんだ木の空間と、木質バルコニーや階段利用を誘う共用部は、施設利用者のQOL向上や健康増進を図りつつ、多様化するワークスタイルの適応やコミュニケーションの活性化を促します。尚、コロナウィルス等の感染症対策としてエレベータの非接触機能、抗菌・抗ウィルス機能を有した建具のハンドルを採用しています。
(※3)公益財団法人日本住宅・木材技術センターHPより

カーボンニュートラル・RE100の推進(木利用による二酸化炭素固定化、国内初の建物新築時からのオフサイトコーポレートPPAサービスによる電力調達等)
本物件では、構造体を主に306m3の木材を利用し、約206トンの二酸化炭素固定効果(※4)を得ております。合わせて、木造化により建物の軽量化を図ったことで、第一生命旧栃木支社ビルの地下躯体・杭を再活用することができ、施工時の二酸化炭素排出抑制および産業廃棄物の削減にも寄与しました。
(※4)木材は、森林が吸収した炭素を貯蔵する機能を有しており、「都市等における第2の森林づくり」として、カーボンニュートラルの実現など、地球温暖化防止への貢献が期待されています。
運用時の電力としては、屋上に設置した太陽光発電設備、オフサイトコーポレートPPAサービス及びFIT非化石証書等を活用し、運用時の電力全てを再生可能エネルギーで賄っておりますが、建物新築時からのオフサイトコーポレートPPAサービス(※5)を通じた再生可能エネルギー調達は国内初の取組みとなります。株式会社クリーンエナジーコネクト(※6)が本物件専用の太陽光発電所(埼玉県1ヵ所、0.1MW相当)を設置し、小売電気事業者(スマートエコエナジー株式会社:本物件の設計者である清水建設の100%子会社)を介して、本物件に追加性のある再生可能エネルギーを供給する仕組みとなっております。

(※5)電力需要施設と離れた土地に太陽光発電設備を設置し、発電した電気を環境価値と共に電力需要施設に送るというスキームを活用した電力調達の方法。
(※6)法人向けに再生可能エネルギーのソリューションを提供する国内ベンチャー企業。第一生命は、ESG 投資の一環であるインパクト投資として、同社に対して出資を行っております
(https://www.dai-ichi-life.co.jp/company/news/pdf/2022_032.pdf)

2.持続可能な開発目標(SDGs)への貢献
2015年9月の国連サミットで採択された持続可能な世界を実現するための17のゴールと169のターゲットから構成される国際目標が定められており、さまざまな主体が連携しての取組が求められています。本物件では、以下8つの目標への貢献を目指し、地産材の使用や太陽光発電設備の設置等による地産地消や地域活性化、CO2削減等に取組みました。今後も継続してSDGsの達成に向けて積極的に取組んでいきます。

【物件概要】
所在地 | 栃木県宇都宮市泉町1-29 |
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主要用途 | 1階:銀行店舗、2~4階:事務所 |
規模 | 階数:地上4階建、延床面積:2,447m2 |
構造 | ハイブリッド木造(木造+鉄筋コンクリート造) |
竣工 | 2022年9月 |
建築主 | 第一生命保険株式会社・株式会社東邦銀行 |
設計・施工 | 設計:清水建設株式会社一級建築士事務所 施工:清水建設・渡辺建設共同企業体 |
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