都心の建築工事現場から物流改革

~建設物流システム「シミズ・スマート・ロジ」~

  • 建築

2021.03.15

清水建設(株)<社長 井上和幸>は、都心の建築工事現場の物流改革に向け、(株)日立物流の協力を得て、4月から当社と協力会社の物流関連コストを削減する建設物流システム「シミズ・スマート・ロジ」を東京支店傘下の現場を対象に展開します。第一弾は、大型現場を含む10現場と協力会社19社の参加のもとスタート。徐々に対象現場と対象資材を拡大し、2年以内に東京支店での本格運用を目指します。

大都市圏の建築工事現場では、資材を仮り置きできるスペースが少なく、特に仕上工事段階に入ると、工程を勘案しながら建材メーカーを含む多くの協力会社から少量ずつ資材を現場に搬入します。少量搬入すると、運搬車両の積載能力が活かしきれないので、結果として生じる無駄な物流コストが資材のコスト増の一因になっています。また、協力会社は各現場の工程を優先して生産ラインを稼働させるため、稼働効率が低下します。さらに、現場においては、搬入資材の仮置等の荷捌き対応に大きな手間を要しています。

シミズ・スマート・ロジの特徴の一つは、協力会社・現場間の物流に中間物流拠点「ロジセンター」を介在させることです。その上で現場はウエブシステム上に資材のリクエスト情報(数量と納入期間)を公開し、この情報をもとに協力会社は中間物流拠点へ、物流拠点は現場へ資材運搬を効率的に行います。

第一弾として、(株)日立物流の守谷倉庫の一部(2,300m2)をロジセンターとし、(株)日立物流と共同で同センターを運営します。当初に対象とする資材は、物流コストの削減余地が大きいサッシュ、スチールドア、OAフロアなど14種です。協力会社は、各現場のリクエスト情報を満たせば、自社の都合で生産ラインを効率的に稼働させることができ、かつ自社のタイミングで資材を運搬車両に満載してロジセンターに運搬できます。また、ロジセンターはリクエスト情報をもとに、異なる資材を満載して一現場に運搬、あるいは複数の現場に対して必要な資材を満載して運搬することで、積載容量の無駄がなくなります。

この結果、当社試算では、協力会社側は運搬費を約15%、製作費を約3%、現場は荷捌きに関わる労務費を約5%、それぞれ削減できる見込みです。また、10現場、19社の参加を1年間継続した場合、10tと4t積みトラックによる運搬を計約220回分削減でき、これにともないCO2の発生量を60t程度削減できる見込みです。また、センターを輸入資材の一時保管場所としても活用すれば、為替レートが有利な時期にコンテナ満載で資材を輸入することも可能になるなど、多角的な活用を見込んでいます。

以上

≪参 考≫

シミズ・スマート・ロジのイメージ図

シミズ・スマート・ロジのイメージ図

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