旧渋沢邸再築工事に近く着手

~潮見イノベーションセンター(仮称)が起工~

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2020.10.23

清水建設(株)<社長 井上和幸>が江東区潮見2丁目に建設予定の潮見イノベーションセンターが近く起工、本日、当社会長、社長をはじめとする関係者列席のもと現地で地鎮祭が執り行われました。本イノベーションセンターは、本館、研究施設、研修施設、歴史資料展示施設、旧渋沢邸の5棟、総延床約25,000m2の施設で構成され、総投資額は約500億円を見込みます。

起工の第一弾は、11月2日に着手する旧渋沢邸の再築工事です。旧渋沢邸は、明治から大正にかけ当社の相談役を務めた渋沢栄一翁の邸宅であり、当社二代目の清水喜助が手掛け、1878(明治11)年に完成した木造建築を母屋とし、その後、洋館等の増築を経て現在の姿に至っています。母屋主要部(表座敷)はほぼ当時の姿で現存し、完成から140年以上が経過した現在でも、その建築的特徴や細部に用いられた意匠及び工法が状態よく保存されていました。

当初の建設地は深川福住町(現在の江東区永代)でしたが、2度の移築を経て1991年から青森県上北郡六戸町で保存されていたものを当社が譲り受け、イノベーションセンターの敷地内に移築するものです。当社は昨年2月、解体・収去工事に着手、専門家による調査を行いながら、部材を手作業で丁寧に解体。同11月に解体を終え、収去した2万点を超える部材については当社東京木工場(江東区木場)等で保管し、現在、補修・修繕を行っています。

再築工事では、旧渋沢邸が有する文化財的価値を維持・継承することを基本方針とし、オリジナルの意匠を損なわないよう、収去部材を用いて精緻な復元を目指します。工事期間は2年4ヶ月間を予定し、2023年には、本格的な和風建築と洋風建築とを巧みに調和させた近代住宅史における貴重な建物が往時の姿で蘇ります。

一方、研究施設、研修施設などの新築建物については、引き続き設計作業を進めており、2023年の施設オープンを目指し、来春着工する予定です。当社は長期ビジョンで示した2030年の企業像「スマートイノベーションカンパニー」の実現を目指し、竣工後は潮見イノベーションセンターをオープンイノベーションの拠点として活用し、革新的な生産技術の開発や事業の多様化、次世代を担う人財の育成を進める考えです。

以上

≪参 考≫

旧渋沢邸の概要

構造・規模 木造、2階建、建築面積921m2、延床面積1,204m2
再築期間 2020年11月~2023年2月(2年4ヶ月間)
建物の変遷 1878(明治11)年 深川福住町(現江東区永代)に木造2階建新築
1908(明治41)年 深川から三田綱町(現港区三田)へ移築
1929(昭和 4)年 洋館部分等増改築
1946(昭和21)年 渋沢家から国に物納
大蔵大臣公邸、三田共用会議所として使用
1991(平成 3)年 三田から青森県上北郡六戸町へ移築
2019(平成31)年 当社が取得
2019(令和元)年 六戸町からの部材収去が完了

六戸町で保存されていた当時の旧渋沢邸

六戸町で保存されていた当時の旧渋沢邸

解体前の表座敷1階

解体前の表座敷1階

解体・収去時の表座敷1階の様子

解体・収去時の表座敷1階の様子

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