2020.10.12
清水建設(株)<社長 井上和幸>は、建物運用のデジタルトランスフォーメーション(DX)を支援する建物オペレーティングシステム「DX-Core」の開発を年内にも完了し、顧客への実装提案を開始します。
DX-Coreは、建物内の建築設備やIoTデバイス、各種アプリケーションの相互連携を容易にする建物運用デジタル化プラットフォーム機能を備えた基本ソフトウェアです。新築、既存を問わず実装でき、新築の場合、DX-Coreサーバーと建物管理システム、セキュリティシステム、IoTデバイス、ネットワークインフラ、サービスアプリケーションを顧客ニーズに合わせてパッケージ化し、実装します。実装費用は、延床面積1万㎡規模の新築オフィスビルの場合、各種システムやデバイス、アプリケーションを含めて1~2億円程度となる見込みです。
高度な建物オペレーションを展開するためには、空調・ELVなどの設備機器からビル内を自動走行するロボットに至るまで、多種多様な機器類の制御アプリケーションを連携させる必要があります。例えば、ロボットの自動走行は、ロボットとELV、自動扉等が連携しなければ不可能です。ただ、アプリケーション間の連携は設備機器・デバイスごとに個別にプログラミングしなければならないケースが多く、先進的な建物サービスの実装を妨げる要因となっていました。
DX-Coreの特徴は、建物運用にかかわる設備機器やアプリケーション間の連携をメーカーの違いを問わずビジュアルツールで自在に図れることです。ビジュアルツールには、API(アプリケーション・プログラミング・インターフェイス)を介してDX-Coreと接続された各種アプリケーションのアイコンが一覧表示され、マウス操作でアイコン同士を連結するだけで、アプリケーション間のデータ連携が可能になります。また、データ入出力等の仕様もローコード(プログラムレス)で設定できるため、新規サービスの導入やサービス機能のアップデートを迅速かつ柔軟に実施できます。
さらには、設備機器やセンサー、カメラ、ロボット等が収集する多種多様な動的データを蓄積・解析し、エネルギー利用の効率化や設備運転の最適化、各種サービスの改善にフィードバックすることも可能です。
すでに、自社施設として建設中の大規模賃貸オフィスビル「メブクス豊洲(旧称:豊洲六丁目4-2街区プロジェクト オフィス棟)」、東北支店新社屋、北陸支店新社屋へのDX-Coreの実装が確定しています。メブクス豊洲では、館内施設情報提供サービス、会議室予約サービス、顔認証ウォークスルー、車両検知サービス、ロボット館内配送サービスなど、テナント企業や利用者の生産性・利便性向上に寄与する先進的サービスを提供する予定です。
当社は今後、外部企業との協業により、DX-Coreと接続するハードウェアやアプリケーションを順次拡充し、建物の用途や規模に適したサービスメニューを提供していく考えです。
以上
≪参 考≫
建物OS「DX-Core」のデジタル化プラットフォーム機能
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