新開発のアシストスーツで掘削作業の負担軽減

~ゴムの伸縮機能を利用した低価格のアシストスーツを共同開発~

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2020.09.01

清水建設(株)<社長:井上和幸>と運動器のサポーティングシステムメーカーであるダイヤ工業(株)<社長:松尾 浩紀>はこのほど、工事現場でのスコップを使った掘削作業の負荷低減を図るため、医療用サポーターの技術を応用した汎用性の高いアシストスーツ「ワーキングアシストAS」を共同開発しました。

工事現場における掘削作業は機械化が進んでいますが、人手に頼らざるを得ない掘削作業が未だ多くあるのが現状です。作業の負荷軽減を目的に、これまでも様々なアシストスーツが開発されてきましたが、掘削作業に特化したものはありませんでした。そこで、清水建設(株)とダイヤ工業(株)は掘削作業の負荷軽減を図る新たなアシストスーツを開発しました。

「ワーキングアシストAS」は、ベスト型で、胸回りと腰回りのベルトを締めるだけで着用できます。重量は電動タイプの1/8の約500gと非常に軽量です。アシスト機能を発揮する部位は、ゴム製のベスト背面の生地と、利き腕の肩と反対の二の腕を背面で結ぶ肩腕ゴムベルトです。作業員が前かがみの掘削姿勢を採りスコップで土砂をすくおうとすると背面の生地と肩腕ゴムベルトが伸び、逆に土砂をすくい上げる際には両方の生地が縮もうとするのでアシスト力を発揮し、作業負荷を軽減します。腰回りのベルトは腰を固定できる骨盤コルセット機能も備えており、作業姿勢を安定させ、腰痛の発生を防止します。熱中症予防のため、全体をメッシュ素材とすることで通気性を高め、脇下にはアイシングセルを入れる保冷剤ポケットを付けています。

ダイヤ工業(株)の実験施設において実施したアシスト効果の計測試験では、掘削動作の中で特に筋肉の負担(筋負担)がかかるとされる、すくった土砂の投げ出し動作おいて脊柱起立筋の筋負担を10%程度軽減できるという結果が得られました。この数値計測には、筋線維から発生する微弱な電流を計測することで筋肉の使用程度を可視化できる筋電計及び、被験者の動作を3次元で計測しパソコン上で動作解析を行う計測機器を用いました。

ダイヤ工業(株)は9月から「ワーキングアシストAS」の販売予約を開始します。販売価格は33,000円(税込)です。このアシストスーツは掘削作業だけでなく、両腕で行う重量物の持ち運び作業の負荷も軽減できることから、基本仕様をベスト1着と肩腕ゴムベルト2本のセットとし、農業や宅配、介護等の現場への展開も進めます。

共同開発にあたっては、清水建設(株)が要求仕様の設定、試作品を用いた使い勝手等の確認、ダイヤ工業(株)が設計、試作、筋負担の軽減効果の検証をそれぞれ担当しました。

以上

≪参 考≫

ダイヤ工業の概要

所 在 地 〒701-0203 岡山県岡山市南区古新田1125
社  長 松尾浩紀
資 本 金 1,000万円
設  立 1963年4月
事業概要 コルセット、サポーター、インソール、テーピング、トレーニング用品、アシストスーツなど多岐にわたる製品を開発、販売

ワーキングアシストAS(日本製)

価  格 33,000円(税込)
※アイシングセルは別売り
ワーキングアシストAS(日本製)
基本仕様 ベスト1着、肩腕ゴムベルト2本のセット
カ ラ ー ブラック
サ イ ズ M、L、XL
販売窓口
  • ダイヤ工業株式会社 新市場開拓部門
  • TEL:086-282-1217 担当:西田 小笠原
  • メール:info@daiyak.co.jp
ワーキングアシストAS(日本製)

掘削作業の動作

掘削作業の動作

作業員が前かがみの掘削姿勢を採ると背面の生地が伸び、スコップで土砂をすくおうとすると肩腕ゴムベルトが伸長。土砂をすくい上げる際には両方の生地が収縮しアシスト力を発揮。

両腕を使う作業の様子

両腕を使う作業の様子

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