フィリピンで大規模インフラ工事を連続受注

~マニラ首都圏地下鉄、ダバオ市バイパス、受注総額1千億円超~

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2020.04.09

清水建設(株)<社長 井上和幸>は共同企業体(JV)を組成し、フィリピン共和国において大規模なインフラ工事を連続受注、受注総額は1千億円超となります。1件は同国運輸省から受注した同国初の地下鉄工事「マニラ首都圏地下鉄事業」の部分開業区間のその1、その2工事で、請負金額はそれぞれ約670億円、約370億円、もう1件は公共事業道路省から受注した「ダバオ市バイパス建設事業」の南・中央区間で約270億円(いずれも税抜)です。前者のJVのパートナーは(株)フジタ、(株)竹中土木、地元のEEI社、後者は地元のUlticon社と(株)竹中土木です。

フィリピンは、東南アジア諸国の中で日本から最も近く、同国の持続的発展は日本や東南アジア地域の安定と発展に欠かせないと見られています。「ODAを効果的に用いることで、経済関係、人的交流等様々な分野で日比関係を強化していく必要がある」という政府方針を背景に、同国にとって日本が最大のODA供与国になっています。安倍総理は2017年1月の訪比の際、5年間で官民併せて1兆円規模の支援を行う旨を表明しており、当社JVが連続受注した工事はいずれもその表明に基づく本邦技術活用案件(STEP)です。

マニラ首都圏地下鉄事業は、深刻な交通渋滞の緩和を目的に計画されたもので、首都圏北部ミンダナオ通りとアキノ国際空港が位置する南部ウエスタンビクタンを結ぶ32.4kmの地下鉄区間に、15駅舎と1車両基地を整備します。当社JVは、先行して部分開業する6.9kmの区間に、3駅舎(タンダンソラ駅、キリノハイウェイ駅、ノースアベニュー駅)と1車両基地、それらを結ぶ3区間に計6本(上下線各3本)、総延長9.3kmシールドトンネルを建設します。昨年11月に契約したその1工事には、タンダンソラ駅と車両基地、シールド機の調達と開削トンネル工事が含まれ、工期は67ヵ月。今般契約したその2工事には、キリノハイウェイ駅、ノースアベニュー駅の主要躯体建設工事及び、シールドセグメントの調達が含まれ、工期は49カ月です。なお、その3工事でシールド工事と2駅の建築設備工事が発注される予定です。

一方のダバオバイパス建設プロジェクトは、ミンダナオ島の交通渋滞緩和、経済・社会発展を目的に計画された、ダバオ市南部シワランから中央部インダンガンを結ぶ全長約30kmバイパス道路です。うち、受注した工区は、同バイパスの中央部分にあたる全長10.7kmの区間です。この区間には、高さ8m、幅10m、掘削断面約80m2、長さ2.3kmのトンネル2本、計900mの5橋梁(3か所)、幅員6.7m(片側2車線)、延長7.9kmの切盛道路の工事等が含まれます。このJVでは、3社で担当工区を分け、当社と(株)竹中土木はトンネル工区、地元企業が土工事・橋梁工事を担当します。工期は37か月です。

当社は引き続き、成長著しいアジアを中心に、大規模で高度な技術力が要求されるインフラ工事や建築工事の受注にチャレンジし、長期ビジョンで掲げた当社グループの2030年の国内・海外売上利益比率目標(75:25)の達成を目指します。

以上

≪参 考≫

マニラ首都圏地下鉄事業

マニラ首都圏地下鉄事業

ダバオバイパス建設プロジェクト

ダバオバイパス建設プロジェクト

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