ベトナム初の地下鉄工事でシールドトンネルが貫通

~ホーチミン市都市鉄道1号線CP1B工区~

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2018.07.04

清水建設(株)<社長 井上和幸>が、前田建設工業(株)とのJV(共同企業体)によりベトナム・ホーチミン市内で建設を進めている「ホーチミン市都市鉄道1号線CP1B工区」において、このほど、ベトナム初の地下鉄シールドトンネルが貫通、総延長1,562mのトンネル掘削を終えたシールド機が、最終到達地点のオペラハウス駅舎にその姿を現しました。

ホーチミン市都市鉄道1号線は、ホーチミン市中心部のベンタンと同市東北部のスオイティエンを結ぶベトナム初の都市鉄道です。総延長は19.7㎞で、西端のベンタン駅から2.5㎞の地下区間と、17.2㎞の高架区間で構成されます。建設工事は日本の円借款により、地下区間2工区と地上区間1工区の計3工区に分けて発注され、いずれの工区も日本企業を代表企業とするJVが施工を手掛けています。当社JVが担当するCP1B工区は、オペラハウス駅舎とバーソン駅舎を含む延長1.74㎞の地下区間で、2014年8月に着工しました。

当工区の地下構造物は、西側から、オペラハウス駅舎(延長190m)、シールドトンネル(延長781m×2本)、バーソン駅舎(延長240m)、開削トンネル(延長534m)で構成され、オペラハウス駅とバーソン駅を結ぶ上下線2本のシールドトンネルは、1台のシールド機で掘削してきました。1本目のシールド掘進は、17年5月25日にバーソン駅側からスタートし、10月18日にオペラハウス駅舎東端にシールド機が到達。同駅内で解体したシールド機の部材をバーソン駅で再び組み立てた後、18年1月27日に2本目の掘進を開始し、このたびの貫通を迎えました。

シールド掘進に際しては、オペラハウスをはじめ基礎が不十分な歴史的建造物との近接施工など、高度な掘進管理が求められましたが、現地の技術者・作業員への技術移転も図りながら細心の注意を以て施工を進め、無事に掘削を完了しました。

現在の工事全体の進捗率は7割を超え、工事は最終段階を迎えます。今後、シールドトンネル内のインバートコンクリート打設工事、開削トンネルの構築工事、地下駅舎の内装設備工事等を進めます。当社JVは引き続き、確実かつ安全に施工を進めるとともに、質の高いインフラを提供することで、ベトナム国の発展に寄与していく考えです。

以上

≪参 考≫

工事概要

工事名称 ホーチミン市都市鉄道1号線CP1B工区建設工事
(HCMC METRO LINE1 PROJECT-Package CP-1b)
建 設 地 ベトナム社会主義共和国ホーチミン市
発 注 者 ホーチミン市人民委員会都市鉄道管理機構
契約形態 設計施工
規  模 工区延長1.74㎞
・シールドトンネル781m×2本(上下線)
・開削トンネル400m、開削U型カルバート134m
・地下鉄駅舎
<オペラハウス駅> 延長190m、地下4層、深さ27.35m
<バーソン駅>   延長240m、地下2層、深さ17.29m
請 負 金 約246億円(受注時)
契約工期 54カ月(2014年8月~2019年2月)
オペラハウス駅舎に到達したシールドマシン
オペラハウス駅舎に到達したシールドマシン

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