コンクリートの凝結時間を現場でコントロール

~現場添加型の凝結時間調整材により、寒冷期のスラブ施工時間を短縮~

  • 土木技術
  • 建築技術

2018.07.03

清水建設(株)<社長 井上和幸>はこのほど、デンカ(株)<社長 山本 学>と共同で、コンクリートスラブ施工の生産性向上を目的に、コンクリートの凝結を促進する粉末状の混和材を用いて、コンクリートの凝結時間を現場で任意に調整する「アドバンスト・コンクリート・フィニッシュ工法(ACF工法)」を開発しました。本工法に適用する粉末状混和材は、荷卸し直前の生コンクリートに投入して攪拌するだけで、凝結促進効果を発揮します。添加量を調整することで凝結時間を任意に短縮でき、気温低下の影響で凝結の進行が遅延する寒冷期においても標準期と同等の凝結速度を確保し、施工時間の短縮を図ることが可能になります。

スラブのコンクリート打設作業は、コンクリートの凝結が進行するのを待ち、上面をコテ等で平滑化する仕上げ作業を行った後、養生の準備を整えた段階で終了します。このため、仕上げに適した状態になるまでの待機時間が長くなる寒冷期は、作業終了が深夜や翌日に及ぶなど長時間勤務の要因ともなり、また、凝結硬化が遅れると、練混ぜ水の一部がコンクリート表面に上昇するブリーディングが長期化し、コンクリートの沈下ひび割れ等、品質低下につながる懸念もあります。一方、耐寒促進剤、早強剤、硬化促進剤と呼ばれる液体状の混和剤が市販されていますが、必要な添加量が多く、コンクリート材料の一部として配合設計を行う必要があるため、現場の状況に応じてタイムリーに凝結時間を調整することは困難でした。

こうした課題を解決するため、当社は、現場添加型の凝結時間調整材を用いて簡易に凝結速度をコントロールし、作業時間の短縮と品質確保を同時に図るACF工法を開発しました。

新たに開発した凝結時間調整材は、アルミニウムスルホン酸塩を主成分とする粉末状の混和材で、水溶性紙袋に小分け(1kg前後/袋)した状態で使用します。必要量を生コン車のコンクリート投入口から投入した後、ドラムを高速攪拌して均一に分散させることで、セメントの水和反応が活性化し、凝結促進効果が得られます。添加量は概ね2~6kg/m3で、打設までの時間経過や打設時の外気温等を勘案して必要量を決定します。凝結促進効果の例としては、気温10℃の試験環境下における凝結始発時間が8時間のコンクリート1m3に対して、2kg、4kg、6kgの調整材を添加した場合、それぞれの始発時間は6時間、4時間、2時間となります。

今後、土木・建築のコンクリートスラブ工事を中心に、自社の施工現場での適用を積極的に進めていく考えです。

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