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Shimz Smart Site(シミズスマートサイト)対応の新型タワークレーンが完成

~世界初の水平スライドクレーン「Exter(エクスター)」~

  • 建築技術

2017.08.24

清水建設(株)<社長 井上和幸>は、新たに構築した次世代型生産システム「Shimz Smart Site」の一翼を担う新型建機として、水平方向に伸縮するブームにより作業半径を自由に調整できる世界初の水平スライドクレーン「Exter」を開発、このほど1・2号機が完成しました。両機の仕様は、定格(最大吊)荷重12t、作業半径3~25m、揚程(揚重高さ)200mです。

Shimz Smart Siteは、Exterと自律型の各種施工ロボットから構成される建築工事向けの生産システムです。Exterは、水平方向に伸縮する新開発のブームを備えたタワークレーンで、建物の頂部をすっぽり覆う全天候カバー内で効率よく稼働できる仕組みになっています。全天候カバーは、風雨や直射日光を遮る役割を果たすことから、作業環境の改善や生産性の向上に寄与します。従前から建物を全天候カバーで覆う施工・解体工法はありましたが、揚重機として採用する天井クレーンのレイアウトを建物の平面形状に合わせたり、クレーンの荷重を受ける建物の構造体を補強するのためのコストが普及のネックになっていました。

水平方向に伸縮するブームは、3体に分割されています。クレーンの根本に位置する最大外寸のブームは固定式で、その中に中間と先端のブーム2体を納める構造になっています。ブーム延伸時には、順に先端のブームから送り出します。資材の揚重作業時には、ブームを延伸して全天候カバー側面に設けた開口部からブームを外に突き出し、地上部から資材を揚重してはブームを縮めて全天候カバーの中に資材を取り込みます。全天候カバー内では、ブームを伸縮・水平旋回させて所定の位置に吊荷を下ろします。なお、ブームの水平旋回時には、ブーム先端とカバーとの位置関係をセンシングしながら、ブームとカバーの接触事故を防止します。

Exterと全天候カバーは超高層ビルの解体工事にも適用できます。最初にビルの頂部を全天候カバーで覆った後、ビルの切断解体を進め、切断した部材をExterが外部に吊り下ろします。カバーが騒音の伝搬や粉じんの飛散を防止するため、周辺環境への負荷が大幅に減少します。また、Exterは、ブーム先端の最高到達点が従来のブーム起伏式のタワークレーンに比べて20~25m低くなることから、航空制限域での工事や建物頭上をマイクロウェーブが通過する場所で行う工事への適用も期待されています。

当社は今後、Shimz Smart Siteの全体システムの適用はもとより、Exterをはじめサイトを構成する個々のロボットや建機の水平展開を図り、建築工事現場の生産性向上に取り組む所存です。

以上

≪参 考≫

完成したExter(IHI運搬機械(株)安浦工場内(広島県呉市))

Exterの組立図

Shimz Smart Siteの概念図

建築工事現場の生産性向上、苦渋・反復作業の軽減、検査・管理業務の高効率化を目的に開発した次世代生産システム。BIMを核とする情報化施工により、最先端技術を搭載した自律型ロボットと人がコラボしながら工事を進める。すでに、個々のロボット・建機の適用現場が決まっており、来年早々にも関西においてシステム全体を適用した高層ビルの建設工事に着手し、竣工までにロボットを適用する工種において70%以上の省人化を目指す。

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