ベトナム初の地下鉄工事でシールド掘削がスタート

~ホーチミン市都市鉄道1号線CP1B工区~

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2017.05.26

清水建設(株)<社長 井上和幸>が前田建設工業(株)とのJV(共同企業体)により建設を進めている、ベトナム初の地下鉄工事「ホーチミン市都市鉄道1号線CP1B工区」において、本日、ホーチミン市人民委員会のフォン委員長、在ホーチミン日本国総領事館の河上淳一総領事ら多数の来賓を迎え、ベトナム都市部では初のシールド工事に用いるシールド機の発進式を挙行しました。

ホーチミン市都市鉄道1号線は、ホーチミン市中心部のベンタンと同市東北部のスオイティエンを結ぶベトナム初の都市鉄道です。総延長は19.7㎞で、西端のベンタン駅から2.5㎞の地下区間と、17.2㎞の高架区間で構成されます。建設工事は日本の円借款により、地下区間2工区と地上区間1工区の計3工区に分けて発注され、いずれの工区も日本企業を代表企業とするJVが施工を手掛けています。当社JVの担当工区は、オペラハウス駅舎とバーソン駅舎を含む延長1.74㎞の地下区間・CP1B工区です。

当工区の地下構造物は、西側から、オペラハウス駅舎(延長190m)、シールドトンネル(延長781m×2本)、バーソン駅舎(延長240m)、開削トンネル(延長534m)で構成されます。当社JVは2014年8月に工事に着手し、地下駅舎、開削トンネルの施工を順次進めてきました。交通量が多く、かつ歴史的建造物が立ち並ぶ都市部での大規模掘削工事であり、オペラハウス駅舎の施工では、基礎が不十分なオペラハウスを含む歴史的建造物群の挙動解析と綿密な計測管理を行いながら、地下4層、深さ27mの地下鉄駅を構築しています。一方、バーソン駅舎はサイゴン川に面する造船所跡地に位置しており、駅舎建設予定地の一部を二重のシートパイルで締め切り河川水の流入を断った後、地中連続壁を構築し、掘削・躯体工事を進めています。

このほど着手したシールド工事では、上下線2本のトンネルを1台のシールド機で掘進します。シールド掘進はバーソン駅側からスタートし、シールド機がオペラハウス駅に到達した後、同機を解体・搬出し、再びバーソン駅で組み立て、2本目の掘進を開始します。1本目のトンネル掘削の完了は2017年9月、2本目の掘削開始・完了はそれぞれ17年12月、18年5月を予定しています。

シールド機の発進という大きな節目を迎え、工事はいよいよ佳境に入ります。当社JVは引き続き、確実かつ安全に施工を進めるとともに、質の高いインフラを提供することで、ベトナム国の発展に寄与していく考えです。

以上

≪参考≫

ホーチミン都市鉄道1号線 計画路線

ホーチミン都市鉄道1号線 計画路線

工事概要

  • 工事名称ホーチミン市都市鉄道1号線CP1B工区建設工事
    (HCMC METRO LINE1 PROJECT-Package CP-1b)
  • 建設地ベトナム社会主義共和国ホーチミン市
  • 発注者ホーチミン市人民委員会都市鉄道管理機構
  • 契約形態設計施工
  • 規  模工区延長1.74km
    ・ シールドトンネル781m×2本(上下線)
    ・ 開削トンネル400m、開削U型カルバート134m
    ・ 地下鉄駅舎
    <オペラハウス駅>  延長190m、地下4層、深さ27.35m
    <バーソン駅>    延長240m、地下2層、深さ17.29m
  • 請 負 金約246億円(受注時)
  • 工  期54カ月(2014年8月~2019年2月)
シールド機の発進式
シールド機の発進式

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