シミズの月開発利用

月面に人類の活動拠点を

人類が宇宙へ進出し現地に長期滞在する時代を見据え、月面に持続可能でレジリエントな人類の地球外惑星活動拠点を構築することを目指します。

月の南極域にあるクレーター内部の永久影(何億年も太陽光が当たらない場所)に水が大量に存在する可能性を示す観測データが得られ、その水を利用して長期滞在を実現する月面拠点構想がNational Aeronautics and Space Administration(NASA、米国)や国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA、日本)などで検討されています。地面のある月面での拠点建設は経験がなく、建設業界には大きな期待を寄せられています。

しかし、月面の環境は地球とは全く異なります。昼夜温度差200℃以上の厳しい環境に耐え、且つ外部が高真空でも内部気圧を保てる構造、宇宙放射線からの防護、氷点下100℃以下の極寒の14日間の夜を越えて機能を維持する越夜、外界からは切り離された完全閉鎖系での物質・エネルギー循環、現地での資材・エネルギーの生産・調達、限られた人員と重機による施工と管理、数秒の通信遅延など、数々の課題が月面拠点建設の前に立ちはだかっています。

30年以上続くシミズの宇宙建設に向けた取り組みを継承し、課題を一つ一つ解決し、人類の活動領域の拡大を支える月面拠点建設の実現に向けて研究開発を進めていきます。

取組み例の紹介

月面環境で利用可能な膜膨張型(インフレータブル)構造

月面への資機材の輸送は現在ロケットを利用するしかなく、ロケットの先端に乗せるモノの「重量」と「容積」に制限があります。その制限以上に大きな空間を現地で実現するには、現地で組み立てる、もしくは小さく畳んで運び現地で大きくする必要があります。

畳んで小さく運ぶために、宇宙開発部ではテントのように膜材を現地で膨らませる膜膨張型(インフレータブル)構造物について研究開発を行っています。英語で ”Inflatable structure”と呼ばれ、剛な材料を展開する構造物(Expandable structure)と並び月面での利用が期待される構造物です。

人が内部で生活可能な有人滞在向けインフレータブル構造物、ロボット等を月面環境から守る無人機向けインフレータブルシェルターなどの実現を目指しています。

有人滞在向けインフレータブル構造物 検討例
有人滞在向けインフレータブル構造物 検討例
月面インフレータブル居住モジュール
©清水建設・太陽工業・東京理科大学
国土交通省「宇宙建設革新プロジェクト」
無人機向けインフレータブルシェルター 検討例
無人機向けインフレータブルシェルター 検討例
JAXA宇宙探査イノベーションハブRFP4
JAXA・清水建設・太陽工業・摂南大学共同
撮影:JAXA宇宙探査フィールド(相模原)

月レゴリスの現地資源利用(ISRU, In-Situ Resource Utilization)

月面拠点の全てを地球から輸送するとなると莫大なコストがかかります。月面までの輸送費は 1 kg あたり 1 億円と言われており、よくあるコンクリートブロック約 10 kg を1つ運ぶだけで10億円もかかる計算になります。拠点を構成する要素の一部を現地にあるモノを使って作ることができればコストの大幅削減が期待できます。

我々が着目したのは月面上のどこにでもある月の砂(レゴリス)です。レゴリスは月面の岩石が細かく砕かれたものでシルト質に分類され、非常に細かく尖った形状の砂です。このレゴリスを溶かしたり締固めたりすることで建設材料として使用できないか検討を進めています。また、月と地球の岩石は成分がよく似ており、鉄、ケイ素、アルミニウム、チタンなどの酸化物を多く含むため、還元反応により金属を取り出すことができます。

宇宙開発部では月の砂を模擬した「月土壌シミュラント(型名:FJS-1)」の製造技術を有しており、社内実験に使用しているほか、国内の研究機関や民間企業へ販売も行っています。

月土壌シミュラント FJS-1
月土壌シミュラント FJS-1

お問い合わせ先

フロンティア開発室 宇宙開発部 シミュラント問い合わせ窓口
Email アドレス:simulant-mlist@shimz.co.jp

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