原爆ドーム

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  • 広島県
  • 2021年

施工担当者から

高橋 伸二

世界遺産「原爆ドーム」の5回目となる保存工事が終了しました。1967年の第1回保存工事以降、行われた保存工事のすべてを当社が担当しています。
今回工事で特に苦労したのは、無機系材料(セメント)による、ひび割れの補修です。齢100歳を超える原爆ドームですから、圧力をかけてセメントを注入することはできません。モックアップを作成して試験施工を実施。シリンダーによる注入を採り入れるなど、適切な(じゅう)(てん)方法を模索し、最後は、人間の五感も最大限活用して慎重に進めました。次回工事まで基本的に誰も建物内部に立ち入ることはないと思うと、何とも言えぬさみしさを感じます。平和の記念碑として、後世に建物が受け継がれていくことを望みます。

発注者広島市
設計・監理広島市
工期2020年6月〜2021年4月
構造・規模天蓋鋼材の塗装:197m2
補強鋼材の塗装:591m2
煉瓦目地の補修:337m
方立の補修:161m
補強金物の補修:3カ所
所在地広島県広島市
全景
旧中庭の外壁
仮設足場が組まれた天蓋
南側から見た原爆ドーム
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