超撥水型枠「アート型枠®」
「アート型枠」※は、水を著しくはじく超撥水層を型枠表面に付与することで、気泡痕や色むらのない美しく高品質なコンクリートを構築する技術です。
近年は高級感を演出する木目調打放しコンクリートに対するニーズが高まっていますが、本技術を用いると一般的な打放しコンクリートよりもさらに施工難度が高く、気泡痕や色むら、脱型時の剥離が発生しやすい木目調コンクリートを、鮮明かつ美しく、また高品質に仕上げることができます。
東洋アルミニウム(株) との共同開発
「アート型枠」の概要
ハスの葉の表面構造を人工的に再現し、超撥水を実現
ハスの葉が水を弾くことはよく知られていますが、これは葉の表面にある無数の微細な凹凸が、葉と水滴の接する角度(接触角)を約160°に保っていることによります。
本技術は、この原理を応用したもので、型枠の表面に蓮の葉の表面構造に似た微細な凹凸を人工的に付与し、型枠表面とコンクリートの接触角を150°以上とすることで超撥水を実現しています。
超撥水層が気泡痕を大幅に抑制、剥離性を高め脱型時の剥落を防止
脱型後のコンクリート表面に生じる気泡痕は、コンクリート打込み時に巻き込まれた気泡が型枠との界面に残ることで生じます。
本技術では、型枠表面の超撥水層により、型枠面に到達した気泡がその場にとどまることなく、浮力によって型枠との界面を滑るように外部に抜けていくことで、脱型後のコンクリート表面に生じる気泡痕を大幅に抑制します。
また、コンクリートのセメント分が型枠表面に付着しづらくなるため剥離性が高まり、脱型時の剥落も防止します。
コンクリート打込み時の型枠表面
脱型後のコンクリート表面
転写された微細な凹凸が色むらのない明るい仕上がりを実現
超撥水層の微細な凹凸が転写されたコンクリート表面は光を乱反射するため、明度が均一に高くなり、色むらのない明るい仕上がりとなります。
木目調コンクリートを鮮やかに美しく
本技術は、一般的な打放しコンクリートはもちろん、木目調コンクリートの仕上がりも向上させることができます。
ホテル祇園一琳では、外壁918m2、エントランスなどの内壁103m2をアート型枠で施工。コンクリートでありながら木の質感にあふれる美しい見栄えの壁面に仕上げました。
美しい杉の木目が鮮明に転写されたコンクリート壁