工業用クリーンルームの清浄化費用を最大40%削減 「クリーンルーム省エネ制御システム」

「クリーンルーム省エネ制御システム」は、工業用クリーンルームのランニングコスト削減を目的に、粉塵除去用のファン・フィルター・ユニットを室内の清浄度に合せてリアルタイム制御します。当社が先に開発したタスク&アンビエントクリーン空調システムと組みわせることで、清浄化費用を最大40%程度削減できます。

概要

本システムは、クリーンルーム内の粉塵濃度を測定する市販のパーティクルカウンター、同カウンターの数値を常時監視し、ファン・フィルター・ユニットを運転制御するパソコンから構成されます。制御方法はいたってシンプルで、クリーンルーム内の粉塵濃度が所定の管理限界値に近づいた場合にはファン・フィルター・ユニットの運転強度を強め、逆の場合には運転強度を弱めるというものです。

ファン・フィルター・ユニット 室内の粉塵を除去し、清浄度をあげるための装置。ファンとフィルターが一体となった構成で、通常は微粒子を吸着するHEPAフィルターが用いられている。

クリーンルームへの適用

従来のクリーンルームにも、当社が開発したタスク&アンビエントクリーン空調システムを導入したクリーンルームにも適用可能です。浄化と空調を一つの空気循環系統の中で行う前者の場合、ファン・フィルター・ユニットを制御すると室内温度が変動してしまいます。後者の場合は浄化と空調が異なる循環系統で行われ温度変動が生じないことから、ファン・フィルター・ユニットの運転制御の自由度が増し、節電・省エネ効果が一層高まります。

本システムとタスク&アンビエントクリーン空調システムを組み合わせて600m² 程度の一般的な工業用クリーンルームを運転した場合、室内空気の清浄化費用を最大で約80万円/年、40%程度削減できるという試算結果を得ています。

タスク&アンビエントクリーン空調システム
クリーンルームに形成される上昇気流の上部に、下部から空気を吸い横方向に緩やかに吹出すファン・コイル・ユニットを設置する。その吹出し空気が、ダクトなしでファン・フィルター・ユニットに受け渡されるよう気流を制御する。従来方式の天井・床・壁を二重に構築する必要がないため、イニシャルコストを削減できる。

モニタリング画面

全開運転では電力消費が多く必要以上に清浄度も高いが、リアルタイム制御が入った10:30以降は、少ない消費電力で目標濃度を保っている。

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