放射線遮蔽性能の高精度解析

リニアック(直線加速器)室や粒子線治療室等、高エネルギー放射線医療施設の遮蔽設計の最適化を目的に、施設の放射線遮蔽性能を高精度解析するために不可欠な「光核反応データベース」が開発されました。
光核反応とは、高エネルギーの放射線(光子)を照射した際に起こる核反応により、原子核から中性子等の粒子が放出される現象を意味します。本データベースは、全ての安定同位体を含む約2,650の原子核(核種)について、光核反応による中性子等の粒子生成を評価したものです。
このデータベースを活用して、遮蔽壁内で生成される中性子等の挙動を事前に解析することで、安全性と経済性を両立した遮蔽設計が可能になります。

概要

光核反応を考慮した遮蔽計算手法の確立を目的に構築された光核反応データベースは、実案件で手掛けた多数の遮蔽計算結果に基づき、光核反応により原子核から放出される中性子等の粒子の量や角度、エネルギー分布を核種別に評価し、実測データに基づく精度検証を重ねた上で、約2,650に及ぶ核種を網羅しています。
併せて、シミュレーション用の線源モデルを独自開発し、遮蔽壁を透過する放射線の挙動の3次元解析を基に室外線量を評価する遮蔽計算手法が確立されました。

メリット

  • 本手法を遮蔽設計に活用することで、安全性を確保した上で、遮蔽壁の鉄板量や壁厚のスリム化を図ることが可能となり、従来手法と比べて、建設コストを10~20%程度低減できる見込みです。
  • 従来手法では困難だった、複雑な形状の施設設計やレイアウト変更時における治療装置の配置検討等にも柔軟に対応することが可能となります。

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