屋内外歩行者ナビゲーション・システム
本システムは、IBM東京基礎研究所の技術協力を受け、バリアフリー社会の実現に寄与することを目的に、世界最高レベルの精度※で屋内外の区別なく快適なナビゲーションを実現します。
世界最高レベルの精度
2015年のMicrosoft Indoor Localization Competitionにおける電波ビーコンと市販スマートフォンを用いた屋内最高精度(平均1.37m)と同レベルの精度(平均1.5m)を、屋内外を結んだ常設施設において実現。
概要
本システムは、位置測定機能・音声ナビゲーション機能・対話機能を備えたスマートフォン・アプリ、空間情報データベース、位置情報インフラ、および車イス利用者向けの障がい者用エレベータの遠隔呼び出し機能が協調して、屋内外を継ぎ目なくナビゲーションすることで利用者の円滑な移動をサポートします。
2017年2月には、視覚障がい者向け、車イス利用者向け、外国人向け(英語対応)の各アプリを日本橋室町地区で提供し、実証実験を実施しました。



システムの操作方法
アプリの初回起動時に、健常者、車イス利用者、視覚障がい者、使用言語などの自分の属性を設定します。利用者は画面操作もしくは音声対話により目的地を設定すると、アプリが現在地から目的地までの属性に合わせた最適経路を探索します。
例えば、健常者に対しては最短経路、車イス利用者に対しては階段や段差を除く最短経路を画面に表示します。移動時には、目的地まで必要な情報をリアルタイムに音声で提供することで、視覚障がい者だけではなくその他の利用者も画面を見ることなく安全に移動できます。音声案内は、「右に曲がる」「点字ブロックに沿って20m進む」「残り15m」「残り10m」「入り口は自動ドアです」「直進10mでエレベーターがあります」といった具合です。
また、車イス利用者がエレベータを利用する場合には、エレベータホール到着時に、スマートフォン画面に呼び出しボタンを自動表示します。利用者がこの呼び出しボタンを押すと、無線ネットワーク経由でエレベータが呼び出され、スムーズな乗り込みが可能となります。