スリム耐火ウッド®(耐火木質柱)

菊水化学工業(株)と共同開発した1時間耐火のスリムな木質柱「スリム耐火ウッド」は、他社開発の耐火木質柱の耐火材料部が厚くなる傾向にある中、異なる耐火材料を組み合わせることで、スリムな木質柱を実現しています。本技術開発は、国土交通省の「平成26年度住宅・建築物技術高度化事業」による補助を受け実施し、国土交通大臣からその耐火性能を証明する認定を取得しています。

概要

一般的な耐火木質柱は、部材表面の「燃えしろ層(化粧材)」と呼ばれる木材部、「燃え止まり層」と呼ばれる耐火材料部、「芯材」と呼ばれる建物の荷重を支える木材部で構成されます。燃えしろ層による燃焼を遅らせる効果、燃え止まり層による芯材への燃焼防止効果により、芯材を炎と熱から遮蔽する仕組みになっています。
スリム耐火ウッドが一般的な耐火木質柱と異なる点は、燃え止まり層を耐火シートと強化石膏ボードの異種材料を組み合わせて、二重の燃え止まり層を形成していることです。火災時の加熱により薄い耐火シートが発泡する断熱効果と強化石膏ボードによる吸熱・断熱効果、さらには耐火材料の弱点となるジョイント(目地)の位置を二重の燃え止まり層間でずらすことにより、燃え止まり層の耐火性能を高めました。

この結果、単一の耐火材料による一重の燃え止まり層で耐火性能を確保する他社開発の1時間耐火の木質柱に比べ、燃え止まり層及び燃えしろ層の厚さを最大で半分程度にでき、国内で最もスリムな耐火木質部材を実現しました。燃え止まり層等を薄くすることにより、コストを抑えるとともに、有効空間を広げ、開放性を高めることができます。また、燃え止まり層等の重量が軽くなるので、耐火木質部材の工場での生産性や現場での施工性が向上します。
なお、スリム耐火ウッドの芯材には、カラマツ又はスギ、化粧材にはスギ、カラマツ、ヒノキ等を使用でき、木材の意匠性及び耐久性を高める各種塗装材も使用できます。

スリム耐火ウッドの構成図

加熱試験の結果

加熱前
加熱中
加熱後(芯材の状況)

芯材は燃焼が認められず、健全性が保たれている

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