既存超高層建物の地震被害予測

既存超高層建物向けに、地震動や建物に関する公開情報などを用いて、当該地で想定される地震動に対して地震被害を短時間で予測できる地震被害予測システムを開発・実用化しました。
関東圏の当社施工物件を中心に約300棟の超高層建物に適用し地震被害を予測しました。

概要

このシステムは、建物の所在地で想定される地震動をピンポイントで予測する入力地震動評価システム、簡易振動モデルを作成する構造解析モデル設定システムから構成されます。

  • 入力地震動評価システム
    関東地域の任意の場所についてピンポイントで地震動を予測します。中央防災会議や当社保有の地盤データベースをもとに関東一円の地盤を解析用にモデル化しており、評価する土地の緯度・経度を入力するだけで地震動を求めることができます。
  • 構造解析モデル設定システム
    建物の構造特性を反映したモデルを容易に構築できます。日本建築センター発行の「ビルディングレター」で公開されている建物の性能評価シートの基本データ、例えば規模、構造、固有周期等を入力するとモデルができあがります。地震動評価と被害予測に要する時間はわずか10分程度です。

建物の被害予測では、まず、ピンポイント予測した地震動を構造解析モデルに入力し、地震動に対応したモデルの経時変化を求める時刻歴応答解析を行います。この解析により、各階に生じる最大層間変形角、加速度、速度が明らかになるため、その応答値をもとに、各階における内外装や設備、躯体の損傷度、建物全体の損失比(再調達価格に対する復旧費用比率)を求め、4段階評価します。

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