国内初、解体工事現場で岩綿吸音板の再資源化を実現
当社はこのほど、東京都港区で施工中の「(仮称)芝浦プロジェクト 第II期工事範囲解体工事」において、環境省の「広域認定制度※1」を活用し、約560トンの岩綿吸音板の再資源化を実現しました。解体工事現場における岩綿吸音板の再資源化は、国内初の取り組みとなります。
建設現場におけるリサイクルは、対象製品の端材などを回収しやすい新築工事を中心に進められています。一方、解体工事ではさまざまな廃棄物が混在するため、対象製品の分別や品質の確認が難しく、再資源化の取り組みは十分に進んでいません。解体工事で発生する廃棄物は速やかに搬出する必要がある一方、リサイクルを担うメーカー側には受け入れ可能な時期や数量に制約があります。そのため、解体工事の工程とメーカー側の受け入れ時期をどのように調整するかが大きな課題となっていました。
本プロジェクトは、国内で実施されている解体工事としては最も高いオフィスビルを対象とするもので、発注者である野村不動産株式会社<社長 松尾大作>が、資源循環(サーキュラーエコノミー)の実現に向けたさまざまな取り組みを展開しています。
その一環として、解体工事を担当する当社、岩綿吸音板を製造する日本ソーラトン株式会社※2<社長 遠藤和美、以下「日本ソーラトン」>、廃棄物の収集・運搬を担う日本通運株式会社※3<社長 竹添進二郎、以下「日本通運」>の3社が連携し、解体現場で発生する岩綿吸音板を効率的に分別・回収するとともに、メーカーの受け入れ計画に合わせて輸送する仕組みを構築しました。
仕組みの構築にあたっては、広域認定制度を活用するとともに、解体工事の着手前に日本ソーラトンが詳細な現地調査を実施。その結果に基づき、同社製で再資源化が可能な岩綿吸音板を正確に選定し、効率的に分別しました。専用回収ラック「NRBOX」で回収した岩綿吸音板は、日本通運の倉庫へ輸送し、同倉庫を積み替え拠点および一時保管場所として活用しました。
この結果、2025年11月13日から2026年4月27日までの期間に、「NRBOX」1,871基を用いて、約560トンの岩綿吸音板を回収することができました。
| 工事期間 | 2025年10月1日~2028年4月30日 |
|---|---|
| 敷地面積 | 34,525.53m2 |
| 延床面積 | 152,834.466m2 |
| 規模・構造 | S造、地下3階、地上40階、塔屋1階 |
| 建物最高 | 166.65m |
| 用途 | 事務所(一部店舗) |
当社は少ない資源でより多くの価値を創出する「資源生産性」の向上を目指しています。2020年5月に策定したグループ環境ビジョン「SHIMZ Beyond Zero 2050」では、2030年度までに建設廃棄物の最終処分率を3.0%未満とする目標を掲げています。
今後は、全国規模で対象製品の回収が可能な広域認定制度や、物流のボトルネックを解消する積み替え拠点を活用します。複数のプロジェクトを横断した回収・再資源化や、多品目回収を推進することで、建設廃棄物の最終処分率の低減に向けた取り組みを加速していきます。
- 広域認定制度:メーカー等が、環境大臣の認定を受けて、自社製品が廃棄物となったもの(製品端材等)を広域的に回収し、製品原料等としてリサイクル、または適正に処理する制度。
- 日本ソーラトン株式会社:吉野石膏ホールディングス株式会社<社長 須藤永作>のグループ会社
- 日本通運株式会社:NIPPON EXPRESSホールディングス株式会社<社長 堀切智>のグループ会社