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清水建設  四国支店

自然エネルギーを利用したeco・BCPモデルビルの実現
清水建設四国支店は、その旧社屋の老朽化に伴い当社の総合力をアピールするショールームとして機能し四国地方の活動拠点となることを目的とした建替計画である。
瀬戸内の恵まれた気候を利用する汎用性の高い省エネルギー技術と、当社の開発技術である新しい空調システムを組み合わせ、年間1次エネルギーを60%以上削減することが可能な省エネルギービルとして設計され、また災害時には復旧拠点としても機能するよう、柱頭免震構造を採用し停電や水害対策、備蓄倉庫等を備えたBCP計画を行い、清水建設が提唱する省エネ・節電と事業継続を両立する
『eco・BCP』モデルビルをコストバランスにも配慮しながら実現している。

所在地 香川県高松市寿町2-4
建築主 清水建設株式会社
延床面積 2,488.62m2
構造・階数 RC造
地上4階建
工期 2015年4月~2016年2月

ECO:光・風・土をキーワードとした省エネルギー技術

『eco・BCP』モデルビルを実現するために、光・風・土をキーワードとして自然エネルギーを最大限に利用する省エネルギー技術の導入を図っている。

自然エネルギー利用のモデル図

エネルギー60%以上の削減ZEB readyを達成

執務室の空調方式として、快適性と省エネを両立する潜熱・顕熱分離空調を採用し、顕熱処理には中小規模ビルニーズに合わせて開発したSラジシステム・ライト(天井内設置のファンレス冷却装置[チルドビーム]と有孔金属パネル天井による新放射空調システム)を国内で初めて導入した。その熱源を地中熱を利用したヒートポンプチラーとすることでさらなる空調の高効率化を行い、自然通風利用と合わせて省エネルギー化を図っている。
屋上には20kWの太陽光発電パネルと蓄電池を設置し、通常時は館内消費電力に充当するとともに、非常時には72時間連続稼働する非常用発電機と蓄電池ともに館内の電源確保を行っている。その他、照度・画像センサーを組み合わせたLED照明によるタスク&アンビエント照明、WC洗浄水の中水利用、Low-E複層ガラスサッシュや建物全体を高断熱に保つ等のさまざまな省エネルギー手法の採用により、年間1次エネルギーを太陽光発電による創エネルギー分と合わせて60%以上の削減を可能とし、ZEB readyを達成している。運用面では、クラウドシステムによるモニタリングによるきめ細かいエネルギー監視を行いながら、削減効果を「見える化モニター」により館内表示することで、在館員への省エネルギー意識の啓蒙も行っている。


BESTによるエネルギーシミュレーション結果

見える化モニター

エコボイドを中心とするコミュニケーションオフィス

居室空間を取り囲むように外部吹抜空間であるエコボイドを建物の中心にプランニングすることにより、居室空間全域で自然採光を可能にするとともに、卓越風を利用した自然通風も最大限利用する計画としている。吹抜を介して視線が交差する空間構成は、良好なコミュニケーションが生まれる効果も期待できる。また天井高さ3.0Mを有する執務室は、夏の直射日光を制御する大きく張り出した外部庇や視線制御も兼ねた有孔折板による、日射抑制を組み込んだ外壁からの3面採光も可能とし、グラデーションブラインドを備えた明るく快適なオフィス空間となっている。

BCP:万が一の災害にも対応する事業継続への取り組み

危険性が高いとされる、東海・東南海・南海地震に備え、災害時は支店機能を維持するばかりでなく、震災対策拠点となるべく、柱頭免震建物を採用し、備蓄倉庫やかまどベンチ、緊急排水槽と接続するマンホールトイレなどの災害に対する備えを充実させている。

地域に密着した企業イメージのアピール

四国4県をそれぞれ代表する特産品を内装材に使用し、その素材の持つ魅力を活かして来訪者をお迎えしたり、地域に受け継がれてきた建築材料の価値を見直すきっかけ作りを狙うよう「地産地消」に取り組んだ。


桧(愛媛特産)を採用したショールームとして機能する展示コーナー

庵治石タイル(香川特産)を敷き詰めたエントランスホール

土佐本漆喰(高知特産)の壁が印象的な応接室

藍染クロス(徳島特産)をアクセントにした来客打合室