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NOHGA HOTEL UENO
「NOHGA HOTEL UENO」は、野村不動産がホテル事業の第1号として運営する“ライフスタイルホテル”である。
コンセプトは、「地域との深いつながりから生まれる素敵な経験」。
地域の魅力的でディープな体験をゲストに味わってもらえる様々な仕掛けを施した。


所在地 | 東京都台東区東上野 |
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建築主 | NREG東芝不動産株式会社 |
延床面積 | 4894.54m2 |
構造・階数 | S造/地上10階 |
工期 | 2017年8月~2018年9月 |
まちに開かれた豊かな共用部の創出
3つのゾーンを一続きの空間に配置
ゲストが、滞在中のホームとなる居心地のいいお気に入りの場所に出会えるよう、 多彩なゾーンを用意した。日本を感じる露地のようなアプローチ、吹抜を持つメインの ロビーギャラリー、ゲスト中心の落ち着いた2階の共用部と、大きく3つのゾーニングを設定した。 そしてこれらを吹抜のまわりに配置し回遊性を持たせることで、 異なる雰囲気を持ちながら一体感を感じられるよう空間構成に配慮した。

1階平面図

2階平面図
ゲストが集うロビーギャラリー
ホテルの顔となるロビーギャラリーは、食事をする人・仕事をする人・談笑する人など 様々な利用を想定した。調理のライブ感が味わえるオープンキッチンや、 吹抜の中心に配置されたビッグテーブルなど、自然とコミュニケーションが生まれる 場づくりを意識した。フルオープンの折戸により、テラスとロビーギャラリーが一体になり まちに対して賑わいが溢れる計画となっている。

吹抜からロビーギャラリーのビッグテーブルを見渡す

フルオープンのサッシによりテラス席と一体的に利用できる

落ち着いたラウンジエリア

調理のライブ感が伝わるオープンキッチン

キッチンカウンターまわりの塗床をモックアップにて確認
まちやホテルに潤いを与える植栽計画
周辺はほとんど緑のないエリアに位置しており、ホテルができることで、 まちにも潤いを与える植栽計画とした。エントランスアプローチは、日本の四季を感じられる 植栽を選定。レストランテラス部分は、「食」にちなんだ柑橘系の樹木やハーブをふんだんに 盛り込んだ。シンボルツリーは、敷地の角に、樹齢40年以上の造り込みのモミジを配置し、 ダイナミックな枝ぶりでゲストを出迎える。

紫陽花・野牡丹・ソヨゴなど、日本を感じる植栽が迎えるアプローチ

テラス席に隣接した大階段は、様々な鉢物により立体的な賑わいを表現

グリーンの鉢物でまとめた2階のテラス

川口の紅葉園に植えられていた手向山。盆栽のように造り込んだダイナミックな幹や枝ぶりに惚れ込みシンボルツリーに決定。

敷地の角に配置したホテルサインとシンボルツリー

客室計画
22m2の客室をゆったり見せるプランニング
洗面化粧台を通路側に配置したアウトベイシンのプランを採用。洗面化粧台とミニバーを 幅1.8mの大きなカウンターに集約させ、ゆったりと利用できるプランとした。 さらに扉のないオープンクローゼットとすることで、客室を広く見せ、圧迫感を低減させるとともに、 オリジナルのルームウェアがディスプレイのように空間にアクセントを与えている。


イベント利用を想定したリビング主体の平面計画
最上階には60m2のスイートルームを1室設置。 上野という立地からイベントやパーティーでの利用を重視し、リビング・ダイニングをしっかりと 確保。ベッドルームと明確に分けられるプランニングとした。

リビングゾーンにはパントリーやトイレも配置

イベント利用に対応したリビングルーム

リビングとベッドルームは用途に応じて仕切ることも可能
地域の職人との協働
地域を感じられる仕掛けとして、台東区の職人やデザイナーとのコラボレーションを行った。 東上野にアトリエを持つ家紋デザイナーに、ピクトグラムやフォントのデザインを依頼し、 サイン計画に組み込んだ。さらに蔵前の建築金物デザイナーによるドアハンドルを採用するなど 建物内にも地域とのエピソードのある要素を散りばめた。

家紋デザイナーによるピクトとフォントを活かしたサイン計画

真鍮切り文字の客室誘導サイン

客室ナンバープレートの現寸検討

デザイナーによる家紋についてのワークショップ

金物デザイナーによるオリジナルドアハンドル