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西条中央病院

愛媛県西条市の地域医療を担う病院。
計画地は西日本最高峰の石鎚山から穏やかな瀬戸内海までおおらかに広がる温暖な地域にある。計画では山から海へとひらけた自然豊かな西条の風土を治癒の空間にいかに感じ取り込むかをテーマとした。

所在地 愛媛県西条市朔日市804番地 他
建築主 医療法人同心会(もとは(株)クラレ企業立病院)
延床面積 新病棟:延床面積9,476.95m2
上空通路棟部分:延床面積175.57m2
既存棟部分:延床面積16,622.31m2
階数 新病棟:地上5階、塔屋1階
上空通路棟部分:地上3階
既存棟部分:地上5階、塔屋1階
工期 新病院:2014年7月~2015年8月
改修:~2017年3月

Design Keyword-1:西条の風土を取り組み自然治癒力を増す空間

この地域は石鎚山からの良質な伏流水が海に向かって地層に流れており、上水はすべて井戸で賄われている豊かな地域である。この山から海への水の流れ、そしてきれいな空気の流れを遮らないよう建物は南北に抜ける空間を随所につくり、利用する人々がここから西条を感じその帰属感から自然治癒力が増すよう意図した。


外来フロア

病棟フロア 

山から海へ抜ける空間構成   建物の待合やデイルームを南北に配置、地域とつながり地域を感じる空間づくり

Design Keyword-2:来院者のためのあたらしい日常づくり

生活の源であるきれいな水を利用した和紙の産地でもあったこの地域にちなみ「和紙」「水」「光」をイメージした空間を計画した。その象徴としてのエントランスホールは曲線形状の吹抜にて来院者を柔らかく迎え、やさしい光あふれる空間にて人々の新しい日常の場とした。石の受付カインターが石鎚山の力強さを、受付背面の和紙は水の想起を意図した。


エントランスホール

エントランスホール上部の光の表情

和紙で迎える受付

自然光と人工光の拡散検討

Design Keyword-3:外来を優しく照らす導光板照明の開発

外来の壁と天井の際にある照明は、近年駅などにぶら下がる光る薄い板状のサイン板(導光板照明)を応用し、間接照明に代えて天井に設置し、掘込がなく施工性のよい照明器具を開発した。色温度・光源の強さ・照明照射方向をすべて今回の空間に適したものとし、自然光との組み合わせで患者にやさしい光環境を提供した。


導光板照明に照らされる外来待合

導光板照明に照らされる院内ギャラリー

Design Keyword-4:院長の目指した「力強い橋のある病院」

院長の思いを汲みつつ、おおらかな西条の風土になじむよう、空を映すカーテンウォールと横連窓と庇を組合せ、東西に長い建物に一層の水平性を強調し、地域の中核病院として堂々と力強く印象的なファサードとした。加えて既存病院をつなぐガラスブリッジが「橋のある病院」として病院を表す新たな顔とした。