Topics

トップページTopicsALSOK 稲城ビル

ALSOK 稲城ビル

警備の現場が日常のワークプレイスとなる企業の研修施設。
研修が警備のスキルアップに繋がるだけでなく、社の思想を軸に人格を形成する場であり、組織として繋がりを強める環境を目指した。現場で活躍するワーカーと事務系ワーカー、研究者が職種が混在するこの拠点は、新たな働く場であり生活の場でもある。各々が個別でありながら繋がりを感じる空間をデザインテーマとした。

所在地 東京都稲城市
建築主 綜合警備保障株式会社
延床面積 10642.67m2
構造・階数 鉄骨造
本 館:地上6階/耐震ブレース付ラーメン構造
武道館:地上2階/純ラーメン構造
工期 2015年2月~2016年3月

Design Keyword-1:ALSOKのアイデンティティ

会社の思想には「武士の精神」「ありがとうの心」があり、「個としてあること」「社会とつながること」の双方を見据えた視座がある。「個」「群」「社会」が同時にある、「自由」であり「統制」がある。相容れないものが同時に存在する空間を目指した。また武士の精神から華美を好まい社風を元に、光や風素材感を大切にし、それらを感じる構成とした。


統制のとれた空間の配置:武道館での研修風景

学習や仲間と“繋がる”空間の配置:コミュニケーションリビング

Design Keyword-2:シンプルな作りに単純な操作で豊かさを表現する

“回転”の操作で必要な部分に必要な照度を確保する

エントランス天井はケイカル板の中にスチールを斜めに折り上げた照明BOXを作成し、様々な方向からの人の流れの結節点を表現した。また夜になると階段や打合コーナー、展示コーナー等必要な部分が浮かび上がる様、向きを調整した。照明BOXを回転させるシンプルな操作で多様な空間を生んでいる。

機能が必要とした開口で外観を構成する

外観はアスロックとサッシのシンプルな構成とした。開口率はオフィスゾーンは光を多く取り入れ、宿泊ゾーンは絞り、研修ゾーンは必要な量とした。機能が必要とした開口が外観に表れ、豊かな表情を作り出す。夕景は色温度やロールスクリーンの色が現れ一段と構成が明確になる。宿泊階は稼働率によりゾーン制御可能であるクラスター空調方式とし、3室毎に室外機をバルコニーに設置しさらに外観に変化をつけた。

厚みの違いで陰影を強調する

コミュニケーションリビングを構成する大吹抜空間の壁は厚みの異なるボードを採用する事でハイサイドライトからの自然光を受け刻一刻と表情が変わる空間とした。

Design Keyword-3:多様であり、まとまりがある環境

建物中央部には研修階、宿泊階、事務階を繋げる吹抜空間“コミュニケーションリビング”を配置した。ここを巡るようにコミュニケーション階段を添わせ、W35m、H10Mの空間を立体的に利用する空間とした。
手摺は透け感のある素材とし、その先の人の気配やトップライトからの光を感じる空間となる。このコミュニケーションリビングが多様な機能を持つこの施設を継ぎ、また人と人を偶発的に繋ぐ環境を作り出す。


ALSOKらしさを表現したサイン

ALSOKの“24時間いつでもすぐに”を表現した
日中から夜までの一日を表す扉とサイン計画



応接ブースと展示ケースが一体となる

開口の大きさ、照明の色により構成の多様さが明快にみえる