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医薬品工場

ケミカルハザード(高薬理活性物質)対応

抗がん剤等の市場拡大を見込み、ケミカルハザード(高薬理活性物質)対応の製造施設が増加しており、封じ込めにおける高度な技術がより求められるようになりました。
また、ICH Q9の発行により品質管理にリスクアセスメントを実施することが推奨され、その後ISPE Baseline® Guide Risk-Mappの発行で作業者保護も目的とした科学的根拠に基づいたリスクアセスメントが重要な位置づけとなっています。シミズは豊富な封じ込め施設の実績や独自技術を活かした封じ込めソリューションを提供します。

リスクアセスメント(ケミカルハザード対応)

作業員保護を目的とした産業衛生に関するリスクアセスメントはICH Q9でも推奨されているFMEAの手法を用い、重大性としてAPI(原薬)のOEB(職業曝露バンド)、発生確率として飛散性を考慮した作業員への曝露量そして検出性の各項目を定量化して評価します。

評価を基に、封じ込め設備(スプリットバルブ、RTPポート、ダブルHEPAフィルター、BIBO(バグインバグアウト)等)やシール・差圧等の二次封じ込めの最終仕様の決定およびSOP(標準作業手順)の提案を行います。

封じ込め評価業務フロー

※S(Severity):重大性、P(Probability):確率、D(Detection):検出性

曝露測定

実際に導入する施設・設備が求められている封じ込め性能を満たしているかは、科学的根拠に基づき確認することが必要となります。ISPE GPG SMEPACやISPE D/A/CH Affiliate Containment Manual等に準拠し、FAT時や設備据付後に曝露測定を実施することにより封じ込め性能の定量的データを得ることができます。
取り扱うAPIのOEL(職業曝露限界)やOEBより、施設・設備のCPT(封じ込め性能目標)を設定し、計画から測定・データ解釈まで一貫して実施します。

シミズ独自技術(蛍光化薬塵モニタリング)

シミズが開発した蛍光粒子を使用することにより、従来の曝露測定手法では測定が困難であったリアルタイムでの封じ込め性能評価が可能となります。1秒間隔で粒子濃度データを取得することにより、発塵の多い作業を容易に特定できます。

[参考リンク]

失活処理技術

  • 使用するハザード物質に合わせて、最適な失活設備をご提案します。
  • 複数の失活方法を組み合わせ、多品目生産にも対応いたします。
  • 各種届出書類の作成・提出もサポートします。

例:抗がん剤工場の場合

失活方法 注入薬剤 一般的な特徴 必要設備
酸化分解処理 次亜塩素酸ソーダ 多くの抗がん剤の失活に使用される 失活槽+薬注設備
還元処理 チオ硫酸ソーダ シスプラチンの失活に使用される
アルカリ加水分解処理 苛性ソーダ パクリタキセル、ドセタキセルの失活に使用される
促進酸化法による
酸化分解処理
酸化剤+紫外線 強力な酸化作用をもつOHラジカルを発生させ有機物を分解する
  • 促進酸化反応槽
  • 反応槽
  • 放流槽、他


失活処理設備の例