実績

株式会社資生堂ロゴ株式会社資生堂様 大阪茨木工場

最新鋭の化粧品工場・物流センター
建設地

大阪府茨木市

竣工 2020年12月
延床面積 141,578.60m2
生産・出荷品目 国内外向け高級スキンケア製品など
大阪茨木工場の代表商品
プレステージのスキンケア製品

クレ・ド・ポー ボーテ
クレ・ド・ポー ボーテ

アルティミューン
アルティミューン

お客様のご紹介

1872年に東京銀座で創業、1897年に化粧品業界に進出されて以来、化粧品業界のリーディングカンパニーとして世界各国に化粧品をお届けしている資生堂様。
そんな資生堂様が “Made in Japanを発信する化粧品工場をつくる” をコンセプトに、大阪府茨木市に新拠点を建設されました。
高級スキンケア製品の生産を一手に担う大阪東淀川工場が持つノウハウやスキルを継承された大阪茨木工場は、2020年12月から工場の稼働をスタートされています。
資生堂様のホームページへのリンク


オールシミズで取り組むエンジニアリング

多品種かつ高品質な化粧品の安定供給を担う工場として、
「無駄なく効率的な生産設備」
「自動化・省人化された生産設備」
「見学者に配慮した化粧品工場らしいキレイな生産設備」

の実現が求められました。
実現に向けて、お客様の既設工場に何度も足を運び詳細な運用や要望をヒアリング。
シミズのエンジニアリングの知見を活かした生産設備の提案をもとに、お客様に寄りそって計画を進めました。
生産設備と建物との取合い調整や、危険物製造所としての諸官庁対応などについても、
シミズの建築部署、建築設備部署と連携しオールシミズで取り組みました。

生産エリアの設計ポイント

化粧品を製造する「製造エリア」ではコンタミネーション(混入)対策として生産品ごとに製造室を4つに区分。
3階から原料を投入、混合して2階で製造、1階で抜き出す「グラビティフロー方式」を採用しました。
同方式を採用することにより配管・ポンプ類を減らすだけでなく、歩留まり率の高い設備としました。
さらに切替ベントを設けることで、使用する製造釜を切り替えられるフレキシビリティの高い運用を可能としております。

天井吊りコンベア

製造した化粧品を容器に充填し、箱詰めやラベリングをする「充填・仕上げエリア」では、製品や資材の搬送に「無人搬送車(AGV)」、「天井吊りコンベヤ方式」を採用し、省人・省力化を図るとともに、資材、製品動線を上部に逃がすことで動線錯綜を防ぐつくりとしています。クリーン度の高い充填エリアの方はコンタミネーション対策として搬送コンベヤ外周全面を囲う仕様としています。

充填・仕上げエリアのコンベヤ
充填・仕上げエリアのコンベヤ
AGV(無人搬送車)

AGV(無人搬送車)

3Dモデル(BIM)の活用

配管、配線のボリュームが多い製造エリアでは実装配管と将来用の未実装配管が計画されており、さらにお客様工事の配管、建物設備用の配管、生産設備用の配管と施工会社もバラバラでした。将来配管も配慮された無駄のないキレイな配管と、各社の施工ルートの調整のために、積極的にBIMを活用しました。BIMの導入により、設計段階から各会社間の干渉部分の調整作業をスムーズに進めることができるとともに、見学者通路からの見栄えや、製造釜廻りの使い勝手に関して、お客様の意見を取り入れて確認いただきながら計画を進めることができました。

※BIM:Building Information Modelingの略。コンピューター上で構築された3次元建物モデルに設計、施工から維持管理までの情報が統合されたもの

製造釜廻り

製造釜廻り

また、増設工事時には、設計図をもとにした3D図面と現地での3Dスキャンで取得したデータを重ね合わせ、より精度の高い施工図化を図りました。図面精度の向上により配管工事の内作率が向上し、稼働中の工場内における現場施工の負担を軽減しました。

製造釜廻り

化粧品工場にふさわしい生産ライン

化粧品GMPに適合する設計(コンタミネーション対策・ゾーニングなど)を行うとともに、見学者通路から見ることが可能な生産エリアは“機能”だけでなく“見た目の美しさ”も重要となりました。
オールシミズで取り組むメリットを活かして、製造釜や天井吊りコンベヤなどの生産設備と、建物との取合いをキレイに納めるようこだわりました。
壁貫通部やサポート類の設置レベル、配管や配線の曲げ部のアールをそろえることを意識した設計とし、BIMにて作成した3Dモデルをもとにお客様とデザインレビューを繰り返し、また施工段階でも進捗に合わせて検査を重ね、化粧品工場にふさわしい無駄のないキレイな生産ラインを構築しました。