耐震改修「浅草寺本堂」
木造の旧本堂が昭和20年の東京大空襲で焼失し、現在の本堂は昭和33年に鉄骨鉄筋コンクリート造で再建されたものです。
耐震診断の結果、2006年に耐震壁の増設を行い、今回、屋根の軽量化を行い、更なる耐震性能の向上を図りました。
それに加え、屋根瓦の脱落を防止し参拝者の安全確保を行いました。

施工データ
名 称 | : | 浅草寺本堂 |
---|---|---|
所 在 地 | : | 東京都台東区 |
耐震設計 | : | 清水建設 |
規 模 | : | 延床面積 3,480 m2 地下1階 地上1階 |
構 造 | : | 鉄骨鉄筋コンクリート造、鉄骨造 |
竣 工 | : | 2010年12月 |
改修における課題
本堂機能・使い勝手を変更しない
耐震補強
…耐震壁の増設(2006年実施)
+屋根の軽量化による更なる耐震性能の向上
屋根瓦の脱落防止
屋根廻りの意匠的改善
本堂を使用しながらの耐震改修
課題に対するシミズの設計・技術対応
軽量化
耐久性、屋根瓦の脱落防止といった安全性、風合、重量、コストでの比較をおこないチタン瓦を採用することとなりました。
チタン本瓦葺というのが、日本で初めての採用となるため、試作品に より形状及び色合い等の確認を行い、施工いたしました。
脱落防止
屋根の大幅な軽量化に伴い、風洞実験により、風荷重による安全性の検証を行いました。 この実験を基にアンカーの固定間隔等の決定を行いました。
屋根廻りの意匠的改善
棟反りは先端が下がり、意匠的には問題がありましが軒反りシステムを用いた現寸図を作成し、美しい線へと改修を行いました。
屋根の雰囲気に大きく影響を及ぼす降り棟の反り具合や鬼を据える位置なども下地を組んだ段階で、調整、確認を行い、決めて行きました。
箕甲の部分も破風に向かい、どれくらいの割合で落ちていくか、縄を張って調整を行いました。
色合はチタンの表面にはアルミナブラスト加工を施し、風合いを付け さらに、瓦の焼きムラを表現すべく、3色をランダムに配置しました。