デザインの一新「西光寺本堂」
西光寺は昭和20年の東京大空襲にて被災。その後は、今回の工事に至るまで仮本堂を使用してきました。今回の建て替えでは、古い家屋と新しいビルが建ち並ぶ賑やかな街の中で、より明るい雰囲気を持つデザイン、かつ、日本建築の要素を取り込んだ新しいデザインの社寺建築として新築されることになりました。

施工データ
名 称 | : | 西光寺本堂 |
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所在地 | : | 東京都墨田区 |
設 計 | : | 野村加根夫設計事務所 |
規 模 | : | 延床面積 787m2 地上2階 |
構 造 | : | 鉄骨造 |
竣 工 | : | 1995年3月 |
建設における課題
明るい雰囲気の創造
街並みに映えるような明るく近代的なデザインであり、かつ日本建築の要素を併せ持った社寺建築にする、というお客様の思いとそれを受けた設計者のニーズに応えるため、施工方法や材料選定などについて詳細な施工計画の作成が求められました。
課題に対するシミズの設計・技術対応
現寸図や模型を使用した軒付の施工
軒付(屋根の軒先部分)の施工時には、現寸図を描きおこしたり、ときには部分的に模型を製作したりする等して、詳細な検討・確認作業を実施。同時に、軒裏の垂木が屋根の曲線・曲面になじんでいるかの検証も行いました。そして、それらの結果を基に型どりを行いながら、きれいな曲線・曲面を仕上げました。
庇の複雑な曲線の施工
玄関の庇も、単一の線や面だけでなくひねりのある形状であるため、軒付と同様の作業を実施。加えて、雨漏りしない庇を設計通りに完成させました。
現物確認による材料選定
内外装材はすべて、「明るい雰囲気の創造」をテーマに選定。例えば、本堂の各所に使用する木材等は複数の現物見本を取り寄せ、木目や色合いについて現物確認をした上でふさわしい材料を選定ました。
小物収納スペースの増築
計画当初より、鉄骨の柱間の懐を利用し小物収納スペースや棚を設けることが決まっていましたが、設計図段階においてスペースや棚の数が増設可能であることを提案。少ないスペースを最大限に有効利用しました。