風力発電

膨大なエネルギーポテンシャルを有する風力発電

風力発電のポテンシャル

ヨーロッパでの導入が先行している風力発電。
日本でも、陸上・洋上ともにエネルギーポテンシャルは大きいことが確認されています。
固定価格買取制度が開始された2012年以降、日本各地で計画および建設・導入が進められています。

陸上風力(左)・洋上風力(右)の導入ポテンシャル分布図

陸上風力(左)・洋上風力(右)の導入ポテンシャル分布図

出典:環境省「再生可能エネルギー導入ポテンシャル調査報告書」(2011年3月)(陸上:p.101,洋上:p.107)
https://www.env.go.jp/earth/report/h23-03/chpt4.pdf

風力発電所の建設に関わる制約

ただし、風力発電の建設には制約があります。風況が良いのはもちろんのこと、巨大な建造物である風車を輸送し、建設することが可能な場所であることが求められます。また地域住民・行政の協力を得ることが必要不可欠です。
洋上風力については、日本の沿岸は遠浅の海域が限られており、世界で展開されている着床式の導入は限定的です。
普及のためには水深が深い海域に適応する浮体式の技術が求められます。

陸上風力・洋上風力へのシミズの取り組み


写真提供:合同会社グリーンパワー大月

陸上風力

ONSHORE WIND POWER

シミズは2000年頃から、全国数多くの陸上風力発電所の建設事業に携わってきました。
近年は、風車の大型化や、発電所から連系点までの送電距離が長くなっていることから、風車の輸送・組立等の工事の難易度が高くなり、送電線工事が長期化する傾向があります。
シミズでは、積上げた実績とノウハウを展開し、事業課題を解決する最適な計画をご提案いたします。

風力発電施設計画のための様々な技術
精度の高い風況解析による建設計画の立案

風力発電所の計画にあたっては、事業の最初のプロセスとなる風況解析から、お客様と一体となって取り組みます。
起伏の多い日本の山岳地形でも精度の高い解析を行い、最適な風車配置を提案します。

風車構造解析事例
高度な風車構造解析を自社で実施

風車基礎設計の専門技術者を有しており、風車メーカーによる構造解析を自社でも再評価します。
また、許認可・構造審査業務も自社で全て対応いたします。

許認可・構造審査業務も全て対応

施工実績
秋田潟上ウインドファーム発電所

秋田県秋田市・潟上市にまたがって建設された本プロジェクトは、 秋田市の地元企業である株式会社ウェンテイ・ジャパンを主体と する秋田潟上ウインドファーム合同会社より、シミズがEPC (設計・調達・建設)契約で受注した国内最大級(建設時) の陸上風力発電所です。国内最大級の1200tクレーン2班+ 輸送1班の構成にて綿密に練られた輸送・組立計画等、シミズのエン ジ・土木が一体となったオールシミズによるプロジェクトです。

写真提供:秋田潟上ウインドファーム合同会社
所在地 秋田県潟上市
事業者 秋田潟上ウインドファーム合同会社
風車基種 GE3.2-103
出力 65,990kW
  (3,000kW×21基 2,990kW×1基)
工期 2017年4月~2020年5月
DREAM Wind愛媛西予風力発電所

愛媛県西予市の山岳地における本プロジェクトで、シミズは土木造成工事、風車輸送工事、風車建方工事を施工しました。濃霧や強風など厳しい条件下の工事であり、なかでも土木造成工事は急峻で落石・崩落しやすい岩盤及び土砂を約120,000㎥も切り出す難工事でした。建設ヤード造成では崖下から切り出すのが一般的ですが、本工事での8号機建設ヤード(左の写真)では安全性と確実性を考慮し、崖上から進める施工計画に変更。無事故・無災害で工期内完工させました。シミズの豊富な経験を生かした計画力、対応力が発揮されたプロジェクトです。

写真提供:大和エネルギー株式会社

所在地    愛媛県西予市

事業者    大和エネルギー株式会社

風車基種   HTW2.0-86

出力     16,000kW(2,000kW×8基)

工期     2017年10月~2020年2月

リエネ松前風力発電所

所在地    北海道松前町

事業者    松前ウィンドファーム合同会社

風車基種   SIEMENS 3.4MW

出力     36,000kW(3,400kW×12基)

工期     2017年7月~2019年3月

大洞山風力発電所

所在地    高知県大月町

事業者    合同会社グリーンパワー大月

風車基種   GE 3.0-103

出力     33,000kW(3,000kW×11基)

工期     2015年10月~2018年3月

南愛媛風力発電所
所在地 愛媛県宇和島市
事業者 電源開発株式会社
風車基種 Ⅰ期 三菱重工 MWT95/2.4(9基)
  Ⅱ期 エネルコン E82 2.3MW(3基)
出力 Ⅰ期 21,600kW (2,400kW×9基)
  Ⅱ期 6,900kW (2,300kW×3基)
工期 Ⅰ期 2012年8月~2015年5月
  Ⅱ期 2015年2月~2016年6月

<施工実績>南愛媛風力発電所


洋上風力

OFFSHORE WIND POWER

シミズは、海洋工事に関する専門技術者を有しており、洋上風力のトップ ランナーとして開発を進めています。
福島復興・浮体式洋上ウィンドファーム実証研究事業(経済産業省委託事 業)では、ゼネコンとして唯一参画して施工の中核となって取り組みを行 いました。

施工実績

福島復興・浮体式洋上ウィンドファーム実証研究事業(経済産業省委託事業)

WIND FARM

第1期
2011年度から始まった本実証研究事業では、第1期工事として

  • 2MW浮体式洋上風力発電設備
  • 世界初の25MVA浮体式洋上変電所
  • 陸上の連系点と浮体式洋上変電所および各浮体間をつなぐ
       送電ケーブル (世界最大の66kVライザーケーブルを含む)
を設置しました。
2013年10月に工事を完了、11月から運転を開始しました。

出典:福島洋上風力コンソーシアム
出典:福島洋上風力コンソーシアム
CONSORTIUM

第2期
第2期工事では、

  • 世界最大級の7MW浮体式洋上風力発電設備
  • 浮体式洋上風力発電設備と浮体式洋上変電所間をつなぐ送電ケーブル
を設置、2015年11月に工事を完了させました。

<事業トピックス>新エネルギーにかける夢

シミズの施工実績

CONSTRUCTION ACTUAL PRODUCT

シミズは2000年頃から全国で数多くの陸上風力発電所
の建設事業に携わっており、2020年末時点で累計700MW以上の 風力発電所の建設に関わりました。

近年は風車の大型化に伴い、大規模な案件が増えています。
施工中・施工準備中のプロジェクトを含めると、その累計は
1,300MW以上となり、
国内トップレベルのシェア
を誇ります。
さらに今後は洋上風力発電所工事の受注が加わる予定です。

累計1,300MW以上

風力発電のフィールドを広げる、世界最大級のSEP船建造

SEP船

SEP船

シミズは、超大型洋上風車の建設に対応できる世界最大級の 搭載能力及びクレーン能力を備えた高効率の
自航式SEP船(Self-Elevating Platform:自己昇降式作業船)の設計・建造に着手しています 。完成は2022年10月の予定です これにより、再生可能エネルギー分野での競争力を確保し、エンジニアリング事業のさらなる拡大を目指します。

SEP船

SEP船の主な仕様

  • 全幅50m、全長142m
  • 総トン数28,000t
  • クレーンの最大揚重能力2,500t、最高揚重高さ158m
  • 昇降能力 14,000t/脚
  • 作業可能水深 10~65m
SEP

シミズのSEP船では、超大型風車の基礎施工、風車のタワー、ナセル(駆動部)、ブレード(羽)の施工を一貫して行うことが可能です。また、太平洋側の特徴である長周期波浪(うねり)においても船体のジャッキアップ・ダウンが可能であり、既存のSEP船に比べ 高い稼働率を発揮できるように設計しています。

シミズは、SEP船により洋上風力発電施設の建設を推し進め、脱炭素社会の実現に貢献します。