Interview
地震発生時のテナント様への連絡ツールとして採用
安全/危険箇所の共有により、災害対応を支援
新虎安田ビル 安震モニタリング導入
安震モニタリング
安田不動産株式会社
小式山様
安田不動産株式会社(以下、安田不動産)は、「継承×創造」の信念のもと、地域に新たな付加価値を生み出し、未来へ受け継ぐまちづくりを目指す総合不動産ディベロッパーで、東京都内を中心にオフィスや商業施設の開発・賃貸・運営管理、収益用不動産の開発、住宅の開発・分譲、設計監理や不動産仲介など多岐にわたって事業展開されています。
今回は、安田不動産の主要物件の一つで、当社施工のスマートビル「新虎安田ビル」にご導入いただいた「安震モニタリング」について、導入経緯や利用状況、そしてどのように課題解決に貢献しているかを伺いました。

- システム導入の経緯と目的を教えてください。
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1点目は、防災センターが円滑に機能する事を支援する目的で導入しました。一例を挙げると、震災時に建物の危険個所を評価し、優先的に確認すべき箇所を特定できることで、限られた人員でも効率的に対応が可能になります。
2点目は、テナント様に対してビルの状態を通知するツールとして活用できると考えました。例えば、地震発生後にビルの安全性や不具合等の情報を迅速に発信することで、テナント様の運用を軽減できると考えております。
- システム導入前にどのような課題があったかを教えてください。
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正直、災害が実際に起きてみないと課題が明確にならない部分がありました。本物件では、最低でも3人の管理者が常駐しておりますが、震災時には消防や救急対応も必要となり、人員が不足する可能性が高いと予想していました。
- 他社のシステムも検討されましたか?
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いいえ、他社システムは検討していません。BCP関連では、緊急地震速報と連動したシステム(例えば、エレベーターを事前に停止させる等)を導入していますが、安震モニタリングと同様の機能を持つシステムは他には知りませんでした。
- 普段から発災時に備えた訓練や取り組みを行っていますか?
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年に2回、防災訓練をテナント様も含めて全館で実施しています。ただ、地震に備えてマニュアルは整備しているものの、実際の災害時にマニュアル通りに動けるかどうかは未知数です。また、テナント様を巻き込んで迅速に対応するためには、まだまだ課題が多くあります。
震災時には避難者の受け入れや情報共有も重要ですが、現場での情報集約・伝達のルールが十分に確立されているとは言えません。特に物理的な被害状況の確認や情報共有に関しては、まだ改善の余地があります。
- 安震モニタリングを採用された理由を教えてください。
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本物件の施工会社が清水建設であることは理由の一つですが、それ以外の大きな理由は、清水建設の「DX-Core」を本物件に導入していることにより、安震モニタリングの機能を有益に活用できると考えたためです。DXの推進やスマートビル化の流れの中で、自然な形で導入が進みました。また、地震対策のために個別にシステムの導入を検討したというよりは、DX-Coreに組み込む形で導入しやすかったのもポイントでした。
- 安震モニタリングを今後どのように活用し、どのような効果を期待されていますか?
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災害時の管理者の業務効率化が主に期待している点です。更に、災害時以外にも、テナント様にビルの状況を発信するツールとして活用したいと考えています。例えば、トイレの故障やエレベーターの停止、断水といった日常的なトラブルの情報を迅速に共有することで、テナント様の安心感を高めることができます。
発災時には、ビル内外の人に対してビルの安全状況を通知し、テナント様が適切な判断を下せるよう支援できると考えています。
- このシステムで改善・改良してほしい点があれば教えてください。
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震災時だけでなく、平常時も含めた情報発信ツールとして活用したいと考えております。例えば、平常時のビルトラブルや、地震以外にも、洪水や火災等にも対応できる発信ツールとしての機能を強化してほしいです。災害やトラブルの種類を問わず、柔軟に情報を発信できるシステムにブラッシュアップすることで、より活用の幅が広がると考えております。
- 安震モニタリングを訓練で活用したことはありますか?
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まだ避難訓練で使用したことはありません。導入して間もないため、現場での運用に落とし込む段階にあります。今後、訓練を通じて現場での活用方法をブラッシュアップしていく必要があると考えています。