Interview
「現場で使われるBM/PM(ビルマネジメント/プロパティマネジメント)アプリ」横浜アイマークプレイスに学ぶ建物運用DX
投資開発本部 アセットマネジメント部
今井様
清水建設投資開発本部では、オフィスビルから物流施設・住宅・ホテル・データセンターに至るまで、国内外で積極的に不動産開発事業・賃貸事業を展開しています。その中で、ゼネコンとしての強みを活かし、所有物件への最新技術の積極的な導入を通じて、物件価値の最大化を図ること、同本部の重要な取り組みとしています。今回は、投資開発本部で、DX推進を通じた物件の収益力向上に尽力している今井氏に、横浜アイマークプレイスにおけるDX-Core導入についてお話を伺いました。
- 今井様は、どのような業務を担当されているのでしょうか?
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投資開発本部 アセットマネジメント部でDX推進を担当しており、『横浜アイマークプレイス』に導入されているBM/PMアプリの開発・運用を担当しています。
横浜アイマークプレイスは、弊社が2014年3月に竣工・開発したオフィスビルで、賃貸オフィスビル運営も弊社で行っています。2022年11月から『DX-Core』を導入することになり、その検討段階から関わってきました。
DX-Coreの機能である『BM/PMアプリ』については、賃貸オフィスビル運営の課題を踏まえて、企画段階から開発側と一緒に進めてきました。
導入後はBM/PMアプリを実際に活用して、ビル管理業務の効率化に取り組んでいます。
- BM/PMアプリの開発を要望したきっかけはなんでしょう?
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きっかけは、横浜アイマークプレイスのBM/PM業務を効率化したいと考えたことです。なぜならビル管理の現場では、少子高齢化によるマンパワー不足や高齢化の進展や、DX活用による作業の効率化が進んでいない現状があるからです。こうした状況をDX活用により効率化できれば、現場全体の生産性向上につながると感じていました。そこでDX-Core導入の検討にあわせて、BM/PM業務を効率化するアプリも作ってほしいという要望を出したという経緯です。
- 実際によく利用されている機能や使い方はありますか?
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はい、大きく分けて3つあります。
1つ目は、テナントからの各種申請対応です。横浜アイマークプレイスでは、駐車場の利用申請や業者の入館申請、工事許可など、テナントから管理側への申請が日常的に発生します。以前は申請手段がメールでの申請を中心に紙でのやり取りも残っており、対応状況が煩雑で一元化されていないことで、申請受付そのものの煩雑さと共に、全体像の把握ができないことが課題でした。BM/PMアプリを導入したことで、申請から承認までをアプリ上で完結できるようになり、申請受付や共有も簡単になりました。担当者の異動や休暇等の場合でも、システムを見れば最新の状況を把握できるため、引き継ぎの負担も減っています。
2つ目は、点検・清掃に関する日程調整です。点検・清掃などでテナントの専有部分に入る場合、事前の許可や日程調整が必要になります。以前は業者・管理側・テナント間で何度もやり取りが発生していました。しかし現在は、業者から提示された日程をアプリに登録するだけで、テナント側がアプリ上で確認・選択できるため、調整業務が大幅に短縮されました。
3つ目は、エネルギー使用量の可視化と共有です。SDGsの観点から、エネルギー使用量を気にするテナントも増えています。以前は、テナントごとに毎月、エネルギー使用量を管理側で数値を集計し、テナントにメール送信していました。集計・共有の作業は手間がかかるうえに「資料を紛失したから再送してほしい」と再度対応することも多々ありました。現在はアプリ上に資料を登録しておけば、各テナントが自分たちでデータをダウンロードできます。結果的に個別対応が不要になり、業務全体の効率化につながっています。
- BM/PMアプリを利用している方の反応はいかがですか?
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現場の方からは「アプリの使い勝手がいい」という声を多くいただいています。BM/PM業務では、テナントからの申請・問い合わせ対応などが業務の一定割合を占めますが、そうした対応にアプリを使うことで、スムーズに対応できる点は特に評価されています。UIについても、直感的に操作できるという声が多いです。年齢に関係なく、実際に現場で無理なく使われています。導入しても使いにくければ定着しませんが、多くのビル管理の担当者やテナントの担当者様が日常的に活用してくれていること自体が、使いやすさの表れだと感じています。
また、クラウドに対応しておりデバイスを問わず利用できる点も好評です。例えば、ビル管理を統括する立場の方は、遠隔地にいても手元のスマートフォンで状況を確認できますし、テナントの担当者様も、スマートフォンから各種申請や問い合わせができます。実際に「業務が効率化された」という反応をいただいています。
- 今後、DX-Coreに期待することはありますか?
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機能面では、その他のBM/PM業務のアプリ化に期待しています。例えば日報ですが、ビルメンテナンスの現場では日報を毎日作成していますが、現在は紙での運用が中心です。アプリで日報の入力・管理ができるようになれば、作業自体が楽になるだけでなく、後から検索しやすくなり、業務全体の効率化につながると感じています。
もう一つは、不具合報告の簡略化です。 現状では、内容によっては個別に資料を作成して報告する必要がありますが、これもアプリ上で簡単に登録・共有できる仕組みがあれば、現場の負担はかなり減ると思います。
データ活用の面では、IoTセンサーなどによる建物運用データの活用に期待しています。設備データを蓄積・分析することで、故障の予兆を把握できると便利ですね。
また、エレベーターの運用改善も一つのテーマです。テナントからは「混雑している」「なかなか来ない」といった声が多く、例えばカメラによる人数カウントなどのデータをDX-Coreと連携し、運行にフィードバックできれば、より快適な運用が実現できる可能性があります。あくまでアイデアではありますが、こうしたデータ活用が進めば、日常業務はさらに効率化できると期待しています。






