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Interview

清水建設本社ビルでも本領を発揮するBECSS
日々の管理を効率化し、快適なビル環境を実現

清水建設本社ビル BECSS利用者インタビュー

株式会社シミズ・ビルライフケア
清水建設本社ビル防災センター統括所長 永井様

記載の所属・役職等の情報はインタビュー当時のものです。

清水建設が開発した中央監視システムBECSSは、清水建設本社ビルにおいてもその真価を発揮しています。今回は、同ビルに導入されたBECSSを活用し、日々の管理業務に携わる清水建設本社ビル防災センターの永井統括所長にお話を伺いました。永井統括所長は、清水建設グループの一員として建物の“ライフサイクルサポート”を専門とする株式会社シミズ・ビルライフケア(S・BLC)に所属されており、同社は長年の実績と高度な技術力で当社のビル管理を支えています。

株式会社シミズ・ビルライフケア 清水建設本社ビル防災センター統括所長 永井様
どのような体制で清水建設本社ビルの管理をされていますか。

私たちS・BLCが、設備スタッフとともに常に2名体制のシフトで24時間365日BECSSを活用しながら設備の監視業務を行っています。

BECSSを活用する具体的な場面を教えてください。

日々の通常の設備監視に活用しています。例えば、各設備の稼働状況や温度、湿度などの環境データをリアルタイムでモニタリングし、異常発生時には即座にアラートを検知。これにより、迅速な状況把握と初動対応が可能となり、ビルの安全と快適性を維持しています。また、トレンド監視機能により、波形から前日何があったかなど後追いで確認する事もあります。その他、空調のスケジュール登録や運転設定を行うことや、BEMS(BECSSの一部)からエネルギーデータ、雨水使用量などを抽出し、エネルギーの分析や各種管理資料を作成するなど幅広い業務でBECSSを利用しています。

日々の監視以外にも、BECSSが役立つ場面はありますか。

はい、トラブルシューティングや将来の運用改善にも不可欠な存在です。例えば、センサーの異常が発生した際には、BECSSのトレンドデータを遡って確認することで、いつ、どのような波形で異常が発生したのかを詳細に把握し、迅速な原因究明につなげています。
また、空調の温度やモード設定を見直す際には、過去数年分のセンサーデータを分析し、季節ごとの運転傾向や予冷・予熱の効果などを検証することで、より効率的で快適な空調計画を立てることが可能です。さらに、機器交換の検討や、水の使用量増加といった予期せぬ事態の原因分析など、設備更新や問題解決の際にもBEMSのデータが多角的な視点での判断に役立っています。

BECSSの特に優れている点や、日々の業務で役立っている機能についてお聞かせください。

BECSSは、グラフィック画面で設備の動きが視覚的に表現されており、デシカント空調のような特殊な設備であっても、その動作状況を直感的に理解できる点が大きな強みです。多岐にわたる機能の中でも、特にトレンド監視機能での波形確認は秀逸で、過去のデータを詳細かつ迅速に分析できるため、非常に重宝しています。また、BEMS連携によるエネルギーデータ抽出機能により、月次のエネルギー管理資料作成が効率的になっています。さらに、デマンド警報の閾値やタイミングを現場で柔軟に設定できる点も、日々の運用効率を高める上で非常に役立っています。

BECSSグラフィック画面
ビル管理の専門家として、BECSSのクラウド機能の利便性や今後の展望について、どのようにお考えですか?

BECSSのクラウド機能は、現地に赴くことなく対応できる点で、ビル管理の現場において非常に有効であると認識しています。特に複数の現場を管理する設備員にとっては、各現場のBECSSをクラウド上で一元的に確認できるため、巡回管理の効率が飛躍的に向上し、情報共有や迅速な対応が可能になります。夜間や外出先で警報が発生した場合でも、自宅などからBECSS画面を直接確認することで、状況把握から出勤要否の判断、初期対応指示までを迅速に行えるのは大きなメリットです。これは経験の浅い常駐員への支援としても有効で、電話や写真に頼るよりも視覚的な情報で判断できるため、対応の正確性と効率性が格段に高まります。
清水建設本社ビルでは、クラウド機能そのものは導入されていませんが、IP統合により、事務所エリアの自席からでもBA系システムにアクセスできる環境を構築しています。これにより、あたかもクラウドを利用しているかのように、手元のPCで監視画面を確認し、状態監視や設定変更を行うことが可能です。実際、オーナー側の設備担当者様が、防災センターの設備員に依頼することなく、ご自身の席で監視画面を見て設定を変更されるケースも珍しくありません。スタンドアロン環境では、オーナー様がわざわざ防災センターまでお越しいただく必要がありましたが、遠隔で監視や操作ができる運用は、今後のビル管理において当然の形になっていくと実感しています。

BECSSについて、改善点や改良してほしい点があればお聞かせください。

BECSSには、いくつか改善を期待する点があります。例えば、データ抽出の速度や、スケジュール機能の操作性については、さらなる向上が望まれます。また、運用履歴などの情報管理機能のアップグレードで、日々の業務効率がさらに高まると考えております。
これらの要望は、S・BLCが、清水建設グループの一員として、BECSSを日々の業務で深く活用する中で見えてきたものです。次世代のBECSSが、さらに使いやすく、高機能なシステムへと発展していくことを期待しております。

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