社長・社外取締役座談会

2023年5月、井上社長と社外取締役4名とで、「企業の持続可能性」をテーマに、ESGそれぞれに関するトピックスをピックアップし、対談を行いました。

岩本 保、田村 真由美、井上 和幸、定塚 由美子、川田 順一
  • 取締役
    岩本 保
  • ×
  • 取締役
    田村 真由美
  • ×
  • 取締役社長
    井上 和幸
  • ×
  • 取締役
    定塚 由美子
  • ×
  • 取締役
    川田 順一

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 S | 温故創新の人財を輩出するために

 

企業文化の変革を求めて

社長:社外取締役の皆様、まず当社の文化や人財、人財戦略などに関してお感じになることをお聞かせ下さい。

定塚:以前ある外部の方から、「シミズは従業員や協力会社を大切にする会社であり、仕事もきちんとする良い会社ですよね」という言葉をいただきました。当社は人を大切にすることで良い仕事をしようという姿勢が根付いていますし、それを220年継続してきていることが素晴らしいことだと思っています。

社長:当社は、渋沢栄一翁の「論語と算盤」を社是としており、それに基づいた高い倫理観を持った人財を育てるための教育を継続的に行っていますので、それはとてもありがたいお言葉です。

川田:今まで行ってきた教育が、実を結んできているということだと思います。私も、従業員の皆さん一人ひとりが仕事に誇りを持ち、組織としての統制がとれていて感心しています。ものづくりは組織で動くことが重要であり、そのためには強いリーダーシップが必要です。当社には、業務を遂行する能力が高く、将来、会社を率いることができる人財が数多くいると感じています。その一方で、専門性が高いがゆえに組織が縦割りになる傾向があり、同じ社内なのに部門間に壁のようなものができてしまっているところも感じています。これを解決するために、例えば、役員クラスには畑の違う業務を経験してもらったり、部門間の人財交流を活発化させたりなどして、全体最適の視点を養うなどの取り組みはいかがでしょうか。

岩本:私の前の勤務先でも同様でした。技術部門は専門性を重んじる意識が強く、部門間の壁を壊すことに苦労しました。役員、部長になった人には、その壁を超えて、経営に携わってもらう意識づけを行っていました。

社長:おっしゃるとおりですね。技術におけるスペシャリストはもちろん重要ですが、同時に、将来の経営を担う幹部候補に対し、より多様なリテラシーを身に付けてもらう取り組みも体系立てて行っていきたいと考えています。足元では将来のリーダーを子会社の社長に登用し、今までとは違った経験をしてもらってから当社に戻すなどの取り組みを始めていますが、今後はもっとダイナミックにタフアサイメントを与えることが必要と感じています。
また、当社の従業員は、仕事や会社に対して誇りを持っており、会社を良くしたいという意欲が高い人が数多くいる一方で、上司に自分の考えを主張することが苦手だという人もいます。私はそういった部分を変革し、フラットで風通しの良い組織にしていきたいと考えています。

定塚:私が前に所属していた先で、職場の風土改革や働き方改革について「若手の積極的な声を聞く」というプロジェクトを始めたところ、若手が躊躇せずに改善提案をし、職場改革が進んだという事例がありました。

井上 和幸