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このページは、シミズの+しごと+トップの中の文化遺産の保存・再生の中のプロジェクト紹介「第3回 浅草寺本堂」のページです。


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第3回 浅草寺本堂〜チタン瓦で屋根重量を5分の1に軽減〜

浅草寺の旧本堂は東京大空襲で焼失し、現在の本堂は当社の施工により1958(昭和33)年に完成した鉄骨鉄筋コンクリート造の建物です。築後約50年が経過し、外装の老朽化が進んだため、当社で瓦の葺き替えならびに外装塗装の塗り替え工事が行われ、2010年12月に完成しました。

浅草寺は、年間3,000万人もの参拝者が訪れる日本有数の観光スポットです。本堂は2006年の耐震補強により現行の耐震基準を満たしていますが、「多くの方が訪れる場所だけに、災害に強いものを」というお客様のご要望により、チタン瓦を採用して屋根を大幅に軽量化し、耐震性能をさらに向上させています。

また、施工中も参拝者を受け入れるため、施工にあたっては、参道をふさがないようスライド工法で本堂を覆う素屋根を架設し、参拝者の動線と安全を確保すると同時に、全天候型の作業空間を構築しました。

青く見えるのは、施工中にチタン瓦の汚れ等を防止するために貼られたビニールフィルム

クレーンを固定し、スライド工法で素屋根を架設

本工事では、本堂をすっぽりと覆う軽量トラス製の素屋根(縦65m×横55m×高さ40m)により、参拝者の動線と安全を確保するとともに、全天候型の作業空間を構築しました。

施工中も参拝者を受け入れるため作業スペースは限られており、素屋根の架設にあたっては、建物脇で1スパンずつ地組みした上部トラスをクレーンで吊り上げて素屋根外枠の端部に据え、横移動する工程を繰り返すスライド工法を採用しました。上部トラスをスライドさせながら設置する方法については、3D -CAD図を利用して作業手順を入念に検証しました。

スライド工法による素屋根の架設(上部トラスを右奥方向にスライドさせていく)

素屋根立面図

作業手順の検証に用いた3D-CAD図


チタン瓦により耐震性能をさらに向上

本改修工事の特徴の一つは、3,100m2の屋根を覆う既存の日本瓦を、チタン瓦に葺き替える点です。チタン瓦への葺き替えにより、屋根全体の重量は約930トンから180トンへと約1/5に軽減されるため、耐震性能はより向上しました。

チタン瓦は、厚さ0.3mmのチタン製の板材を瓦の形状に加工し、下地となる芯木にビス留めするもので、ビス留めされるため地震による落下の心配がなく、また、耐久性・耐蝕性にも優れているためメンテナンスフリーとなります。チタン瓦は、浅草寺内の宝蔵門改修(当社施工)にあたって初めて開発、採用されました。今回、チタン加工技術はさらに緻密になり、本瓦の風合いを出しています。

改修前の屋根瓦(素屋根の架設工事中)

美しく改修された屋根瓦


3色のチタン瓦で重厚な風合いを表現

チタン瓦はいぶし調の表面処理を施した微妙に色の異なる3色を用意し、これをランダムに配置することで、日本瓦の持つ重厚な風合いを表現しました。また、平面部、軒先など部位別に形状の異なる数種類の瓦が使われていたため、3D-CADを駆使して形や厚み、卍(まんじ)・唐草模様など、瓦のデザインを可能な限り忠実に再現しました。

施工手順

(1)瓦の撤去

(2)木下地工事

(3)防水下地工事


(4)丸瓦芯木取付

(5)チタン谷瓦葺き

(6)チタン山瓦葺き


最大20工程に及ぶ塗装で漆調を表現

リフリート工法による下地処理

鉄筋コンクリート製の垂木や外装の塗装については劣化が著しかったため、建立時の姿を取り戻すべく塗装を塗り替えました。

塗装の劣化状況によって、塗装をすべてそぎ落として、塗装面を平滑にした後、樹脂を塗ってコンクリートのアルカリ性を回復するリフリート工法により下地処理を行いました。その後、最大20工程に及ぶ塗装を行い、伝統的な漆調の風合いを表現しました。また、飾り金物などについても入念に修復を行いました。

塗装面水洗い

下地処理(パテ付け、ペーパー掛け)

中吹き後、上吹き


工事概要

工事場所 東京都台東区浅草2-3-1
施  主 宗教法人 浅草寺
改修設計・監理 清水建設 一級建築士事務所
建物用途 寺院本堂
構造・規模 SRC造、屋根鉄骨造、地下1階、地上1階、中2階
敷地面積 44,690m2
建築面積 2,489m2
延床面積 3,479.95m2
軒  高 12.1m
最高高さ 29.6m
工  期 2009年2月〜2010年12月

改修前の浅草寺本堂

改修後の浅草寺本堂
photo:NARU建築写真事務所 中塚雅晴


工事中、外装シートに描かれた川端龍子画伯の「龍之図」。
未来への期待を力強く描いている。


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