ピーク電力抑制/停電対策(マイクログリッド)
シミズのしごとトップページ電力供給力不足による大規模停電リスクの増大
東北地方太平洋沖地震によって大規模発電所が被害を受け、ピーク時電力供給力が大幅に減少し、突発的な大規模停電のリスクが増大した。不測の大規模停電を回避するための措置として、東日本では今年3月に計画停電が実施されたが、社会生活や企業活動に大きな影響を与えた。
今後の建物・街区エネルギーマネジメント
政府・電力需給緊急対策本部が5月13日に発表した「夏期の電力需給対策について」では、東京電力の今夏の供給力見通しが5380万kWに対し、6000万kWのピーク時需要が想定されている。火力発電所の増強など電力供給力積み増しの努力が続けられているが、依然として電力需給はひっ迫しており、供給側へ依存した状況から、需要家側(建物・街区)のエネルギー制御、すなわちピーク電力抑制と停電対策の重要性が強く認識されている。
今夏は新たに発電機、蓄電池などを調達するのが難しく、「営業時間の短縮・シフト」、「夏季休業の設定・延長・分散化」、「空調温度の引き上げ」、「照明の削減」など運用面での対応が主体となるが、電力需給ひっ迫は今夏以降も継続すると考えられるため、備えが必要である。
また、現在行われている原子力から火力へのエネルギー源転換は、CO2排出量を増大させるため、中期的には太陽光発電などの自然エネルギーを活用することが重要となる。
建物エネルギー制御システム−スマートBEMS
当社は、需要家側である建物や街区のエネルギー制御システム「シミズ・スマートBEMS」を開発した。シミズ・スマートBEMSは、停電リスクに対応し、建物や街区への分散型電源の導入を促進する「マイクログリッド」に加えて、使用電力(kW)を自動的に抑制する「デマンドレスポンス」と呼ばれる機能を持つ。
シミズ・スマートBEMS
分散型電源導入と停電対策−マイクログリッド
停電リスクに対応するために、建物や街区への分散型電源の導入、すなわちマイクログリッドが注目されている。2004年から開発に着手したシミズ・マイクログリッドは、建物・街区への太陽光発電の大量導入を促進する、分散型電源の統合制御技術である。主に太陽光発電と蓄電池、自家用発電機から構成され、万一の停電時のバックアップ機能、瞬時電圧低下対策の機能を持つ。
シミズ・マイクログリッドの構成
マイクログリッドによる停電への備え
マイクログリッドは、停電が発生した際でも、太陽光発電や蓄電池などを活用しながら、重要負荷に対して無瞬断で電力を供給する機能を有している。一般的なUPS(無停電電源装置)は長時間(おおむね30分以上)あるいは頻繁な電力供給運転を前提としていないため、充放電サイクル寿命が短い。マイクログリッドで使用する高性能蓄電池は充放電サイクル寿命が長く、今後数年間の電力抑制や停電に対応可能である。
停電時の自立電力供給に対応するマイクログリッド
デマンドレスポンスによるピーク電力抑制
天気予報などから翌日の熱負荷や電力需要を予測、複数の設備機器の運転時間と出力をきめ細かく計画するとともに、夜間に蓄熱・蓄電しておいたエネルギーを電力ピーク時間帯に使うなど、デマンドレスポンスにより使用電力を目標以下に抑制することができる。万一、電力需要が目標を超えそうになった場合には、設備機器の稼働状況から適切な機器を自動的に制御する。
デマンドレスポンスで制御する設備機器
技術研究所の取り組み
技術研究所では2010年10月に本館を改修し、マイクログリッドとデマンドレスポンス機能を持つスマートBEMSの実証を開始した。政府は今夏のピーク電力(kW)を15%(前年比)抑制する目標を掲げたが、技術研究所(15棟の建物群)では、今夏のピーク電力抑制目標を37%(契約電力比)と設定し、研究開発活動や快適性を損なわずに、「ピーク電力の抑制」さらには「突発的な停電リスク」に備えるソリューションとして、マイクログリッドとスマートBEMSの効果と有効性を検証する予定である。
スマートBEMSによる最大使用電力の自動制御(技術研究所・本館の例)
マイクログリッド、スマートBEMSの実績

<現在建設中:マイクログリッド>
物質・材料研究機構 総合研究棟
(設計・パース提供:株式会社梓設計)

<2006年:マイクログリッド>
清水建設技術研究所・実験棟系

<2008年:マイクログリッド>
中国杭州電子科技大学
(NEDO 委託事業)

<2010年:スマートBEMS>
清水建設技術研究所・本館

<2011年〜:スマートBEMS>
ニューメキシコ州 日米スマートグリッド実証
(NEDO 委託事業)

<2012年完成予定:マイクログリッド>
清水建設 新社屋











