穴八幡宮　布袋尊覆屋（ほていそんおおいや）・御手洗舎（みてあらいしゃ）・御井舎（みいしゃ）新築工事
〜穴八幡宮の布袋尊覆屋・御手洗舎・御井舎の新築工事についてご紹介します。

社殿（平成4年竣工）、隨神門ずいしんもん（平成10年竣工）、鼓楼ころう（平成27年竣工）などに引き続き、境内整備工事の一環として、布袋尊覆屋、御手洗舎、御井舎の新築工事に取り掛かりました。

2棟並び建つ布袋尊覆屋、御手洗舎は、ほぼ同規模の伝統木造建築で計画することで、一体感ある外観を目指しました。

壁のない伝統木造建築を計画するため、構造的な工夫を行っています。
基礎のコンクリートにアンカーボルトを仕込み柱脚と固定することで、地震や台風時の建物の浮き上がりを防止しています。

軸部の接合部には金物を使用しない継手・仕口を採用することにより、耐震性・耐久性に優れた長寿命な建物としています。

耐震性能を確保するため、組物の間には板壁を入れています。

意匠的にも、建物にふさわしい表現の工夫を行っています。
御手洗舎の屋根には、雨天時に参拝者に直接雨がかからないよう軒唐破風（のきからはふ）を設けました。

布袋尊覆屋の蟇股の装飾には、長寿を象徴し縁起の良いモチーフとされる鶴と亀を取り入れました。

御手洗舎の蟇股の装飾には、水を司る神として崇められている龍を取り入れています。

天井板の装飾には、同じく水と関連深い雲を描きました。八雲をモチーフとし、社殿に向かう雲をデザインしました。

御手洗舎にも、今回新たに布袋像の石像を製作し、布袋像の背負っている福袋から手水を授ける形状としました。

御手洗舎の横には、手水に供給するための井戸を掘削しました。井戸を覆う御井舎は、近接する神輿庫みこしこを模した周囲に馴染む外観としました。

柱の連なりや軒の連続性により、一体感ある建物として出来上がった、布袋尊覆屋と御手洗舎です。
屋根形状や細部意匠により、既存境内との調和も図ることができました。