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清水建設の社寺建築・伝統建築


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法恩寺本堂耐震大改修工事
~法恩寺本堂耐震大改修工事についてご紹介します。

法恩寺は、東京都墨田区にある日蓮宗の寺院です。長禄元年(1457年)、太田道灌公が江戸城築城にあたり、丑寅の方角にあたる地に城内鎮護の祈願所として建立されました。

今回耐震改修工事を行った本堂は、昭和29年(1954年)に再建されたものです。築後60年以上が経過しており、耐震診断において「大地震時に倒壊する可能性が高い」と判定され、耐震補強および劣化修理工事を行うことになりました。

耐震改修工事は大きく分けて基礎部分、壁部分、屋根部分に対して行いました。

また、他にも通常仕上げ工事や漆喰の塗直し、錺金物の新設などの美装工事を行うとともに、玄関屋根改修や太田道灌公の宮殿を新設するというお客様の要望にも応えました。

工事に先立ち行われた調査では、建物基礎が不同沈下していることがわかりました。

また、本堂部分は、あとから増築されたRC造の内々陣によって引っ張られ、最大約60mmの歪みが生じていました。

建物歪みは、ジャッキアップで建物全体を持ち上げ、梁にワイヤーをかけて引っ張ることで歪みを修整しました。

旧基礎は無筋コンクリートの独立基礎であったため、ベタ基礎補強を行い、補強金物によって土台と基礎の一体性を高めました。

旧壁は小舞下地の土壁等で耐力・剛性が弱いため、構造用合板を用いた耐震壁で補強。柱頭・柱脚にも金物を取り付け、接合部を補強しました。

既存壁の耐震改修だけでなく、開口部の一部も耐震壁に変更することで、建物全体にバランス良く壁を配置しました。

シロアリ被害のあった土台を交換。

火打土台を設置し、水平面の剛性も強化しました。

桔木はねぎは戦後の資材不足の中で再建されたことを裏付けるかのように、細い木材が使われていました。

軒先の垂れを防止するために、桔木はねぎを増設しました。

玄関屋根の現寸検査の様子。

実際のスケール感を把握し、図面ではわかりづらい軒反りなどを視覚的に捉えて調整しました。

屋根は歴史ある本堂の意匠を継承しつつ、桟葺から改良本瓦葺に葺替えるとともに、全ての棟造りは組棟に改修しました。

隅棟には稚児棟を新設。

木造とRC造の取合部分にはエキスパンションを設け、地震時の揺れの違いにも対応しました。

大屋根の妻面では、旧破風板はふいたと旧懸魚げぎょを再用。

破風板はふいた、隅木小口等には錺金物を新設し、より風格のある本堂に改修しました。

玄関部分も斗組ますぐみを新設して桁高を上げ、軒の出を本堂に合わせて深くしました。

内陣の虹梁こうりょう唐破風からはふ、外陣の天井の格縁ごうぶち、太田道灌公の宮殿等に漆塗り工事を行いました。

漆は乾燥に適した温度・湿度の管理が難しい上、通常の仕上げ工事と同時進行だったため、埃対策にも大変気を配りました。

参拝・法要を行う外陣。

畳の取替、格縁の漆の塗替、錺金物の設置をしました。

ご本尊を安置している内々陣。

東脇間には太田道灌公のご尊像を納める宮殿を新設しました。

玄関の天井は格天井に改修しました。

各階段も昇降しやすいように改修し、手摺を設けてバリアフリー化を図りました。

本堂小屋裏に昭和29年3月3日の旧棟札と平成29年3月3日(起工)の新棟札を納めました。

本堂を建て替える案も検討されましたが、木造本堂の新築は法的に困難であることもあり、木造本堂の良さを活かした保存再生工事を行いました。

檀家法要・年中行事を執り行う本堂であることから、健全な木軸部分を再用しつつ、上部構造評点1.0(建築基準法相当の耐震性能)+αの耐震性能を確保しました。

床・壁面には耐震補強だけでなく断熱を施すことで、建物の保温性・断熱性を向上。空調設備の更新・照明LED化による省エネルギーを図ることで、長期を見据えた耐久性も向上させました。

 



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