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清水建設の社寺建築・伝統建築


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日本橋、福徳神社の錺金物(かざりかなもの)
福徳神社が竣工しました。その金物についてご紹介いたします。

福徳神社は日本橋にあり、1,100年以上の歴史があります。

源義家朝臣や太田道灌など武将らも尊崇し、徳川家康をはじめとする歴代将軍も信仰したと言われてます。

二代将軍徳川秀忠が参詣した折には、「福徳とはまことにめでたい神号である」と称賛されました。この時、クヌギの皮付きの鳥居に、春の若芽の萌え出でたのをご覧になり、別名を「芽吹神社」と名付けられました。

しかしその後、度重なる江戸の大火などにより、小さな社のみになりましたが、この度室町地区の再開発を期に社殿が再興されることになりました。

木造の社殿はこの都心では規制により、建てることができませんでした。

そこで鉄骨造でありながらも、新たな日本橋の街で皆様に親しまれるよう、外観・内観とも完全に伝統木造の社殿のようにデザインしました。

木材は木目の美しい吉野のヒノキです。

構造は鉄骨造ですが、耐火の材料で建物を包んだ上で、ヒノキを伝統的な宮大工の木造技術を使って組み上げています。

現代技術と伝統技術を融合した鉄骨造での伝統木造表現は清水建設がいままでの数々の社殿建築で培ってきた技術を生かしています。

社殿を彩る金物を錺金物(かざりかなもの)といいます。

今回、デザインは清水建設の設計者が文様の一つひとつまでおこないました。

設計者がすべて現寸にて作図することにより、建物全体の調和をより高い次元でとることをねらっています。

そのデザイン画を熟練した職人が銅板に写し取り、一つひとつ丁寧に手作業で叩き出していきます。

叩き出した銅板に漆を接着剤として塗り、その上に金箔を貼っていきます。

それを窯に入れ高温で焼付けて定着させ、完成です。

錺金物(かざりかなもの)のデザインは徳川秀忠が名づけた福徳神社の別号である「芽吹神社」から発想を頂きました。

若芽が芽吹き、ぐんぐん伸びる、みずみずしい「芽吹」のデザインで全体を展開しました。

屋根の妻側にある破風(はふ)の中央にある紋はお稲荷さんの神紋の「抱稲紋」になります。

屋根の角にある隅木(すみぎ)先端部分の錺金物です。

縁の手摺を高欄(こうらん)といいますが、その上部にある、十文字笹金物です。

参拝した際に、内部の拝殿正面に見えるところには、徳川家に伝わる「福徳紋」をあしらいました。

コレド室町に隣接する高層ビルの谷間に福徳神社は再生され、多くの人たちが訪れる場所となりました。

夜は社殿もライトアップされています。

2017年には隣地が鎮守の森と、いこいの場としてオープンする予定です。

近くへお寄りの際はぜひ、ご参拝ください。

新建築2014年12月号に本工事の記事が掲載されております。(新建築社刊)



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