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霊巌寺 山門

霊巌寺は江東区⽩河に位置する浄⼟宗寺院である。境内には東京都指定有形⽂化財に指定されている江⼾六地蔵の第五番が安置され、また国の史跡に指定されている寛政の改⾰を行った松平定信の墓所があることでも知られる寺院である。今回、由緒ある寺院にふさわしい格式ある正⾨として、京都御所の建礼⾨に倣った総欅づくりの四脚⾨を計画した。建物規模は、建設地での見え⽅をVRにて検証し建礼⾨の約80%の大きさとした。⼭⾨の蟇股彫刻は、四⽅の守り神としての四神(東は⻘⿓、⻄は⽩⻁、南は朱雀、北は⽞武)に加え中央には麒麟とお釈迦様を配し、太瓶束の笈形には蓮をあしらうなど寺院らしさを盛り込んだ。構造は、仕⼝のめり込み抵抗や板壁・太い柱の傾斜復元⼒といった伝統構法の仕組みを極⼒活かして耐震性・耐久性を確保した。さらに柱頭部に組物・横架材を⼀体化させるための通しボルトや袖柱脚部に柱の浮上がりをおさえるためのアンカーボルトを設け、また本柱とRCの脇塀との間にも東⻄⽅向の耐⼒を補うアンカーボルトを設けて⼤地震時の安全性を確保している。

竣工年
2024
主用途
寺院
延床面積
18.75m2
構造/規模
伝統⽊造/地上1階

福本 敦⼦

⽊村 誠

西川 航太