
Works
Six Sesnes Kyotoはウェルネスとサスティナビリティを軸とする自然派ホテルである。日本建築が備える内外の流動性は、自然の移ろいを愛でる日本人の価値の見立て方を空間として顕在化させたものである。外を内に取り込むことで自然と交歓し、五感を通して心地よいと感じる空間。建築がそうした日本人の感性を体感できる鋪設(しつらい)を持つ事で、ホテルの理念との一貫性を持たせた。東山の麓、奥長で高低差のある独特の敷地形状。囲い型の配棟で客室が短辺で向かい合う。隅入りのロビーからは奥に深い中庭が広がる。この「狭隘さ」と「奥行き」をどう建築の豊かさに変換できるかが最大のテーマとなった。短手には縁側バルコニー、縦格子、赤松を配し、多層結界による奥行感の増幅を期待した。長手に向くロビーは、中庭の奥行き・高低差を活かし、野趣溢れる赤松群が遠景となる作為を施す事で、京都らしい奥深さを獲得した。「狭隘さ」を「豊かさ」に変える伝統的な暮らしの知恵を引き継いだ。ラグジュアリーという価値観が物質的なものから精神的なものへと転換される先駆的なホテル建築である。
- 竣工年
- 2023
- 主用途
- ホテル
- 延床面積
- 11,804.44m2
- 構造/規模
- RC造一部S造/地下2階・地上4階
- 受賞
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- 2024年度グッドデザイン賞
- 京都デザイン賞2024 大賞
- ローカルデザイン協力
- フィールドフォー・デザインオフィス
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吉田 進一
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末森 憲義
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船戸 佑樹
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小林 卓照
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伊藤 統
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高下 晴臣