
Works
計画地は明治期より財閥の別荘地として開拓されてきた特別な場所である。往時の豊かな自然、風景、庭園、場所の歴史性を現代の文脈の中で引き継ぎながら、新しい時代にふさわしい体験ができるホテルを目指した。1959年に建てられた旧ホテルは吉村順三氏による設計であり、風景に対し両翼を拡げ、山々の眺望と敷地の等高線から自然に導かれた美しい佇まいであった。この配置計画の継承と外装イメージの踏襲のため、各階にサイトPCによる小庇を設け、深い軒を持つ屋根と併せ風景の一部となるよう低く抑えた水平基調のファサードとした。この庇は梁型枠や仮設足場にもなり、急峻な計画地における施工合理化にも寄与した。インテリアは全館を通じて自然とのつながりを感じられるよう周囲の豊かな自然をモチーフとし、神奈川県産木材を多用している。各階共用部には特徴を持たせ、最上階には空へと眺望が開いた温泉大浴場・露天風呂を配した。フロント壁面には旧ホテル外装の穴あきブロックを記憶や歴史を継承する象徴的なアイテムとして設えている。
- 竣工年
- 2023
- 主用途
- ホテル
- 延床面積
- 10,211.71m2
- 構造/規模
- RC造/地上6階
- インテリアデザイン
FFEデザイン - フィールドフォー・デザインオフィス
-
-
鷹見 陽一郎
-
-
稲毛 誠
-
-
清水 亮輔