
Works
既存庁舎の老朽化による建替計画。安田町は人口約2500人の太平洋に面する自然豊かな町である。
町の新たなシンボルとなり、町民が誇れるような庁舎を求められた。柔らかな大屋根は山から川へと流れる広域のランドスケープに馴染む形状とした。社寺や豪商住宅のような大屋根を持つ建築が日本の集落の象徴であったことを意図した。内部には開放的な通り抜け空間をつくり「やすだモール」と名付けた。その出入口付近には「やすだリビング」「やすだサロン」と名付けた多目的スペースを設け、町との結節点とした。ワークショップを複数回行い、町職員や小学生をはじめ、関係各所を一体となりプロジェクトを進めた。竣工時には小学生にタイムカプセルを埋設してもらい、彼らが二十歳になるときに開封される予定である。
現在、学校帰りの小学生が役場で宿題をしたり、親と待合せをするなどの光景が見られる。町の風景の一部となり、永く愛され続ける役場となることを期待している。
- 竣工年
- 2021
- 主用途
- 町役場
- 延床面積
- 3,083.91m2
- 構造/規模
- RC造・木造/地上3階
- 設計施工
- 清水建設・若竹まちづくり研究所・建設事業共同企業体
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柿澤 英之
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水田 博夫