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日比谷フォートタワー

計画地はかつて江戸城の外濠であり、濠が埋め立てられ明治45年に東京市より払い下げられた場所である。そのためクランクしていた濠が不整形な街区を形成し、変則的な交差点や狭隘道路、歩行空間や緑の不足といった課題を抱えていた。今回、道路付替えを伴う街区再編を行い、快適な歩行者ネットワークや緑豊かなパブリックスペースを備えた高層複合施設を計画した。 低層部には、従前の区道と同じ位置に屋内貫通通路「ガレリア」を設け、周囲の広場や歩道を繋ぐとともに、隣接街区とも地下接続を行い、まちとまちを繋ぐ結節点とした。施設の主動線となるこのガレリアは高層部140mを支える基壇でもあり、城郭石垣のように重厚で素材の力強さを感じるマテリアルで構成した。 機械室等は浸水対策として3階に集約設置するとともに、施設内に地域冷暖房のサブプラントを整備することで、非常時の熱融通を可能としている。その他、保育所やシェアサイクルの設置、帰宅困難者の受入れ対応や、地域の集約駐車場整備など、地区全体の価値向上と持続的な発展に貢献する施設とした。 かつて濠により武家地と町人地を分断していた土地は、今回の再編により街区をつなぐ新たな一拠点として生まれ変わった。街並みや人の流れが変わったこの地区が、今後持続的に発展していくことを願っている。

竣工年
2021
主用途
事務所・店舗・保育所・集会場
延床面積
105,609.21m2
構造/規模
SRC造・RC造・S造/地下2階・地上27階・塔屋1階
受賞
  • 2022年度CFT構造賞
基本設計
株式会社日建設計
実施設計
清水建設・日建設計 設計共同企業体
ランドスケープデザイン
N2 LANDSCAPE 株式会社
照明デザイン
有限会社サワダライティングデザイン&アナリシス
サインデザイン
有限会社井原理安デザイン事務所

糀谷 正和

古株 友徳

森 亮人

宮崎 浩英

久保山 寛之

伊藤 靖